来院時は角膜がだらりと目の外にぶら下がっている状態でした。
こたつの中で丸まっていたため、飼い主さんが怪我に気づいたのは受傷後数日~一週間経過。自宅外でケンカをしたと思われます。
状態は大変悪く、処置前に患者さんと治療方針について相談。
1 眼の専門病院への紹介
2 一旦当院で治療 → 紹介も可能
3 当院でできる範囲で治療
患者さんは、3の「当院で治療」を選択されました。飼い主さんご自身の体力も考え、近くで治療したいとのご希望でした。
初診時 角膜が深く傷つき、炎症度が高く膿もたまっている。眼球破裂の危険性も検討。様々な経過の可能性を説明。
一週間後 炎症は落ち着き始めている。白濁強。第3眼瞼腫脹も気になる。全体的に腫脹。
3週間後 角膜表面が滑らかになってきた。写真では分かりづらいが、白濁が若干弱まる。
一ヶ月後 角膜の透明度が出てきた。瞳孔反射は鈍いが、光を少し感じている。かすかに見えているのか。
まだまだ注意深く経過を見続ける必要はありますが、まずは眼球破裂に至らなかったことに安堵です。角膜の再生がうまく進むことを願っています。
ガンバレ!タック(仮名)!!
皆さんも、飼っている動物の様子がなんだかいつもと違うと思ったら、もしかすると痛みや苦しみに一人で必死に耐えているのかもしれません。動物の本能(いずれ記事にします)に起因する行動なので人間にはわかりづらいかもしれませんが、注意して見てあげてくださいね。
やっぱり治療開始が早ければ、治りも早いですからね。