ダイヤモンドリール コメットGS
久しぶりに大森のスピニングリールをお預かりしました。
でも、大森がOEMした海外メーカーのリールは、たまに整備していますから、まあまあ久しぶり?
大森製作所のリールの良いところは、部品数が少なくて、シンプルで合理的な設計です。
例えば、スピニングリールには大抵ローター内にカウンターウエイトが付いていますが、
コメットはベールマウントを肉厚にしてバランスを取っており、大きなウエイトは付いていません。
ローター外縁部にウエイトを配置することで遠心力を稼ぎ、軽量化にもつながっています。
こんなふうに1つの部品に複数の仕事をさせるのが上手い印象です。
ハンドルのラチェットレバーがリールフットの付け根にあるのもいいですね。
ハンドルが左右兼用ですがまだインスプールという、ちょっと珍しいリールです。
メインギアの裏側に薄いカムがあって、それでスプールシャフトを動かしています。
当時の小型スピニングリールによく見られる、シンプルな仕組みです。
スイングアームで左右兼用にしようとすると、ギアを2枚増やしてギアボックスを広げなくてはいけなくなります。
コンパクトなボディに少ない部品で動かす工夫が、ここにも見られます。
お預かりした時は起こしたベールをホールドする部品が引っかかって、ベールが戻らなくなっていました。
分解しながら調べてみると、単にネジの緩みでした。
大森は部品を手に入れることが非常に困難ですから、あっさり直ってホッとしました。