いつもご利用いただいているお客様から、以前お預かりしたカーディナル33を再びお預かりしました。
ベールが戻らなくなってきたとのことでした。
確認してみるとトリップレバーの戻りが良くありません。
これはレバー内側の蹴り返す部分の摩耗が原因のようです。
分解して調べてみました。
リール自体はとても良い状態です。
トリップレバーの戻りが悪くなった原因はローターの下に挟まっていた1ミリ厚のワッシャーでした。
スプールに巻かれるラインを調整するためにローターの下にワッシャーが追加されていました。
今回はワッシャーが厚すぎてトリップレバーの蹴り返す部分の掛かりが浅くなってしまい、
ちょっとだけ掛かっていた部分が摩耗してレバーが戻らなくなっていたのでした。
矢印の部分の下側がわずかに削れて角がなくなっていました。
ここにぶつかってトリップレバーを蹴り返す仕組みです。
ワッシャーの厚み分この部分のかかりが浅くなり、通常より早く削れてしまっていました。
ワッシャーを取り除いたら元通りに動きました。
スプールに巻かれたラインはハの字になっていました。
やはりワッシャーが厚すぎたようです。
カーディナル33はスプールに巻かれたラインが少し逆ハの字になっているのが理想的な状態です。
ローターの下には何も挟まないのが正解なのです。
真っ直ぐより逆ハの字の方が放出抵抗が少なく飛距離が出ます。
ちなみに今のリールは真っ直ぐきれいに巻かれているのが良いとされています。
古い道具は今の常識と相違があることは珍しくありません。
そこは使う人がリールに合わせてあげてくださいね。