リールのオーバーホールのご紹介です。

続きましては
シェイクスピアのプレジデントⅡ 1982


黒いプレジデントが1980、シルバーが1981、
ナロースプールモデルの1982です。

番号は製造年ではありません。

シェイクスピアの製造年についてはこちらの記事を参照↓




シェイクスピアは歴史の古いメーカーでして、ダイレクトリールも有名ですね。

以前も書きましたが

レベルワインダーを発明したのはシェイクスピアなんだそうですよ。



ナロースプールと言ってもやや幅広で、とても使いやすそうですね。

数は出回っていませんが、とても人気がある機種です。



きちんと整備されてきれいな状態でしたが、一通り洗浄しました。

灯油で洗うと目立たない油汚れもしっかり洗い落とせますし、サビを防ぐ効果もあります。

パーツクリーナーで洗うと、オイルやグリスが付いていないところがサビやすいので注意しましょう。



プレジデントはクラッチボタンも分解できるようになっています。

ただ、ピニオンヨークのピンの抜き差しがかなり難しいので要注意です。



今回のご依頼はドラグの不具合を見てほしいとのことでした。

確かめてみると、ドラグレバーを1番ゆるくしてもドラグが効いたままでした。

そこは6枚重ねのスプリングを調節して直りました。

ちなみに私のプレジデント1981は、スプリングを6枚重ねるとハンドルが重くなります。

けっこう個体差があるみたいですね。






ギア比5:1の割にはピニオンギアが大きいのが、このリールの特徴です。

この画像を見ると、デザイン先行ではなく、ギアを大きくするためにエッグシェイプになったことがよくわかりますね。

昔の道具は機能がデザインを決めているものが多いです。

今は違いますね。

だから陳腐なのです。



プレジデントⅡはアンバサダーと比べるとリリースのタイミングが早くて、けっこう慣れるまで難しいリールです。

試したことはありませんが、1/2オンスぐらいのルアーがマッチするのではないでしょうか。



リリースのタイミングが早くてキャストが難しいリールの対処法は3つあります。

1つは遠心ブレーキの効きを強くする。

遠心ブレーキは初速を抑えてバックラッシュを防ぐための機能ですから、強くしても飛距離は落ちません。

2つ目は糸巻き量を減らす。

糸巻き量が少ないと、スプール1回転あたりのライン放出量が少なくなり、結果的にキャストの初速を抑えることになります。

これが一番手っ取り早くできる方法です。

3つ目は柔らくて長いロッドと合わせる。

柔らかいロッドはゆっくりテイクバックしてもしっかり飛びますから、キャストのコントロールがしやすいです。

これらの対処法は気難しいリール全般に使える方法ですので、お試しください。