アンバサダーのスプールのセンター出しとメカニカルブレーキの調整について説明します。

ただしウルトラキャストのアンバサダーは例外です。

左右にスプールキャップがある70年代までのアンバサダーに当てはまる調整方法です。


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スプールのセンターはスプール左右の黒い部分、スプールエッジの幅が左右均等になるようにして使います。

調整する際はハンドル側から位置を決めていきます。



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ハンドル側のスプールキャップに銅板を入れて調整します。

ハンドルとスタードラグを外すとやりやすいです。

キャップを締めた状態でスプールがセンターに来るようにスペーサーを重ねて入れます。

だいたい2枚か3枚です。


ただし、スプールがセンターよりややパーミングカップ寄りのほうが良い個体もあります。

ギアの歯が摩耗していて、スプールをセンターに合わせるとノイズが出てしまうことがあります。

このような場合は無理にセンターに合わせずに、静かに回転する位置に合わせて使うようにしましょう。

古いリールですので、過去の使われ方によってクセがついていることは珍しくありません。


実釣の際の注意点

メカニカルブレーキはハンドル側ではなくパーミング側だけを回して調節します。

ハンドル側のキャップを緩めすぎると、クラッチを切ってもスプールとピニオンギアが接触し続けて異音が出ます。

ピニオンギアの摩耗を早めるのでよくありません。

スプールが左右にカタカタしていると、ラインの噛み込みも起こります。

それに、スプールの遊びが大きい方がよく飛ぶわけではありません。

アンバサダーの適正なスプールの遊びは1ミリ程度です。

手入れされたアンバサダーならわずかなスプールの遊びがあるだけでしっかり飛びます。




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続いてメカニカルブレーキの調整のしかたです。

メカニカルキャップを締めこみながらスプールを左右に動かしてみてください。

スプールが動くけれどカコカコと音がしなくなったところがブレーキの0点で、

メカニカルブレーキが効くか効かないかギリギリの状態です。

その位置で矢印のようにキャップの目印とベゼルの0を合わせておきましょう。

こうしておけば釣り場でブレーキの強さを変える時の目安になるので便利です。



スプールの遊びがわずかにカコカコ動く程度の状態で、遠心ブレーキを2個つけてキャストをしてみてください。

あまり飛ばなかったらオイルが切れているか汚れがたまって良くない状態です。

ちゃんとメンテしたノーマルのアンバサダーは、

スプールの遊びが少なくても、遠心ブレーキをしっかり効かせた状態で気持ち良く飛びます。

よほどのことがない限りバックラッシュすることはありませんし、かなり安定したロングキャストができるようになります。



5500Cは使い方を間違えなければよく飛ぶリールですし、重いルアーしか使えないということもありません。

5000番のアンバサダーは重くてよく飛ばないと思っている方は、いまだに多くいるかもしれませんね。


補足

ウルトラキャストのアンバサダーのスプールの位置決めについて。

ウルトラキャストのアンバサダーは、

ハンドル側のキャップを締め切ると、スプールがかなりパーミング側に寄ってしまう個体がほとんどです。

なので、キャップの中のスペーサーは枚数を変えずに、ハンドル側のキャップを緩めてセンターに合わせるようにします。

先にハンドル側を緩めながらスプールの位置を決めてから、パーミング側を締めていきます。

70年代のアンバサダーと同じように、スプールが軽く回るギリギリの締め具合で、ベゼルの0とキャップの矢印を合わせておきましょう。

実釣の際はハンドル側のキャップは触らずに、パーミング側のキャップだけでメカニカルブレーキの強弱を調節して使ってください。