https://www.youtube.com/watch?v=IBSmgPxsIcA
11月も終わりに近づいたというのに
今日は朝から 抜けるような青空が広がり
ぽかぽかと 暖かい
夫は 田の周りに施していた害獣除けの電気柵を
今日は撤去するから 私に手伝うようにと言う
この頃 休みになれば
ドライブ三昧をしていたので 今日は素直に
夫に仕えることにする
それに 夫の実家あたりも
紅葉が 美しい時期
それも楽しみとなった
途中にある 銀杏の巨木
残念ながら すでに落葉していた
山の中腹に立つ銀杏は
豊かに葉をつけていたというのに
おもにイノシシ除けのために 広い田の周りに
張り巡らしていた 電気柵
私は何度も 「本当にスイッチ切ったよね?」と確認する
そして 私はこの電線の巻きを解く役
夫は電線を コイルに巻き取る役として
作業を開始する
最初は上の電線を巻き取り
2巡目に 下の電線を巻き取って行く
その際電線を固定していた「棒」も 抜いて行く
夫は巻き取り専門
私は中腰になって 電線を解くのと「棒」の抜き取り
私の方が 重労働だと言うと
電線を巻き取るにつれて
コイルは だんだん重くなっていくと
夫が言うので 現状維持で良しとする
この電気柵のおかげで
せっかく実った稲を イノシシに荒らされることなく
今年も 収穫をした米は
すべて1等米に認定された
ただし 米の収入はゼロ
それどころか 今年も赤字である
米作りをするために 高額な機械を買い
そのローンが まだまだ残っているのだから
この作業のために 行きがけに
ホームセンターに寄って購入した
長靴と ゴム手袋を装着
日当たりの悪い山陰の田は
水分を含んだ泥状で
長靴で良かった
くっつき虫と呼ぶ 草の種が
おびただしいほど 取りついて
何度も 指でつまみ取った
枯草の中も ドカドカ歩いたのだ
ただ この天気で
冬眠しかけたヘビが
再び地上に 出ていないかが
ちょっと心配だったが
やはり 出会ってしまった
山の斜面を蛇行していく 黒い大きなヘビ
「だから 農業は出来ないんだよ」と
いつも夫に言う言葉を
またしても つぶやいてしまう
本当に今日は 暑いくらいの陽気で
トレーナーなど とても着てはいられなかった
薄手のインナーだけでも 動いていれば
汗ばむほどだった
時折 風が吹くと
ザワザワと山々が 音を立てる
見ると 物凄い数の葉っぱが
雪のように ひらひらと降って来るのだった
作業中 風が吹くのが楽しみだった
秋色に染まった山々に囲まれて
気持ちの良い 汗をかいた
12時過ぎから始めた撤去作業は
3時台には もう終わった
少し腰が痛んだが
私もがんばった
夫の暗くなるまでかかるとの予測は
見事にはずれた
帰りに たくさんの白鳥を見た
それは白鳥のために 田を池にしてあるところ
クォークォー という鳴き声は
もうすぐ 厳しい冬が来ることを
告げていた