nagarenotokiのブログ

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四季折々、自然の姿に感じること

 

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いのちの歌(オカリナ)

 

一日中 激しく雨が降り続いた昨日

夕方から 職場で共に働く 

マリアさんとジャニナさんと

60キロの米袋を乗せて

奥出雲の三成(みなり)に 向かった

 

3月初め よく食べるマリアさんと

米の話をし 夫が作った米を

格安で譲ってあげたことから

彼女はたくさんの友人に うちの米を売り込んでくれた

ちょうど 備蓄していた米がたくさんあったことから

こちらとしては 大助かりで

マリアさんの案内で あちこちのフィリピン人女性の住まいに

注文してくれた米を 届けていた

 

昨夜は マリアさんの友人2人の誕生パーティーで

お米を持って行き方々 私もご招待を受けたのだった

 

道中 2人は 

雨に濡れた満開の桜や

霧の下りた山々を 「すばらしい!」と

シャッターを切る

初めて奥出雲に行くと言う まだ若いジャニナさんは

後ろの席から 私とマリアさんの間に

顔を出して 「とても山の中ですね

ここに住んでる人たちは 何をして生活してるんですか」と

興味津々で いろいろな質問をして来る

 

着いたのは これまでのようなアパートではなく

1軒の新しい家

そこに住むのはアリアナさんという

日本に来て30年経つという

私と年齢が同じくらいの女性

彼女は 日本人と結婚されていたのだった

 

家の中には たくさんのフィリピン人女性が集まっている

米を持って行ったことで 顔見知りになった人も半数くらい

知っている人も 初めて会う人も

私に「ありがとうございます」と

口々に言ってくれる

 

そしてハッピーバースデーを歌い 賑やかに

誕生パーティーが始まる

私も4月生まれです と口にすると

再びハッピーバースデーを

みんなが 歌ってくれる

フィリピンの人たちの温かさが

心に沁みて 涙があふれて来る

「泣かないで」と肩を抱いてくれる アリアナさん

 

アリアナさんは この家を

フィリピン人女性たちの 拠り所として提供され

こうして誕生パーティーや 地域の祭りの時には

ここで みんなが集まって

楽しい時を過ごす

その時の食事も 彼女が食材を買っているという

彼女はまるで 若いフィリピン人女性たちの

お母さんであり おねえさんのような存在

フィリピン女性たちを 無償で面倒をみている人だった

 

タガログ語が飛び交い 笑い声が響く

私には まったく言葉の意味はわからないが

誰もが日頃のストレスも忘れ 

楽しく 幸せな時を過ごしている

フィリピンの歌も みんなで歌う

これから お酒を飲み

ここに泊まるという

 

遠くから来ている私たち3人は 帰らなくてはならない

外に出ると 雨はまだよく降っていた

その中で アリアナさんは

私たちを 見送ってくれた

 

帰りの車中で ジャニナさんが

「Sさんはどうして 私たちにやさしくしてくれるんですか」

と聞いて来る

「だって みんな遠いフィリピンからやって来て

 日本の高齢者さんのために働いてくれてるじゃない。

 少しでも 何かお返しがしたいじゃない」

アリアナさんという人を知った今

その言葉が どんなにおこがましいものか

わかっているが アリアナさんのように

私もフィリピンの人々を もっと理解し

寄り添えるようになれればと願う

 

そんな 催花雨の夜だった