保育カウンセリングの勉強をしています。

その中で出会った 詩 を紹介します。

東洋人として初のノーベル文学賞受賞者 タゴール の詩です。(神戸朋子訳)

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祝福

この子らに祝福をお与えください

多くの清らかな生命がこの世に花咲き

天の便りを運んできました--

この子らに祝福をお与えください


世の苦しみを知らない 稚(いといけな)い笑顔の幼な子たちが

笑いながらあなたがたの戸口にやってくる

初々しい目をあげて 戯れ揺れながら

四方を見ている

黄金色の太陽の光や お母さんの顔が

どんなに心地よいことでしょう

この地上に 知らないうちにきていました

埃を埃とも知らず すべてが彼らの宝物です

この子らを膝に抱き上げてください--泣いて帰らせないように

喜びの中に悲しみを起こさせないように

胸の真ん中に置いて 充ちあふれた心で

この子らに祝福をお与えください


新しい他(よそ)の国にやってきて 無数の道のある国で

静かに四方を見ている

こんなにたくさんの人々がいるなかで 人生の道を尋ねるために

あなたのところにやってきました

あなたがどこへ連れていっても 一緒に影のように
黙ってついてゆくでしょう

だから言います 面倒をみ この信頼を裏切らず

海に捨てたりしないでください

稚い頭(こうべ)に 優しい手を置き

この子らを疎かにしないでください

この厳しい世の中に ただ遊ぶためにではなく

難しい仕事をするためにやってきました

蓮のような顔を見て 私の目に涙が溢れます

大きくなるまで生き延びられるかと思って--

人生の海での戦いで 脆い命が

粉々にこわれてしまいはしないかと思って

この笑顔が 笑いを忘れることのないよう

暗い危険で取り囲まれることのないよう

この子らを傍らに呼んで 胸に抱き 膝に置き

あなた方は祝福をお与えください

こう告げてください

「世の波に揺れながら 喜んでゆきなさい 天から風は吹いてきます

喜びと悲しみを乗り越えてゆきなさい--
それは波の戯れのように あなたたちの周りを廻って踊ってゆくだけです」と