先日、佐々木先生の講演会に参加してきた。

佐々木先生とは・・・…佐々木正美氏

児童精神科医であり、著書に「子どもへのまなざし」「続・子どもへのまなざし」などがある。

この先生の講演はとても人気がありたくさんの人達が聴きに集まってくる。


演題は『子どもと子ども 子どもと大人 =生きることはコミュニケーションすること=』


開口一番、「最近の若者はあいさつができないとよく言われているが、あれはできないのではなく、声にできなくて困っている。苦しんでいるのです。」とおっしゃった。

声をかける”力”がない。

それは、人を信じる力がないということ。

人を信じる力は保護者を信じるところから始まっている。



のっけから心にすとんと直球で届いた。


社会不安症、不安恐怖症

人に対して安心感が抱けない。

どうしてこんな若者が増えてきたのか…

社会で子どもを育てていく力を失った。
地域社会の中で、人と人との交わりを失ってしまった。

アフリカの諺に【子どもは村中の人の知恵と力が無ければ育たない】というのがあるらしい。

そうなんだよね。
子どもは親だけじゃなく、周りの大人が一緒に育てていくものなんだよね。

この数十年間で、どんなに子どもの心を損なってきたのか考えてみる必要がある。



【根拠のない自信】

何ができるから偉いとかいう根拠のある自信とは違って

根拠のない自信を与えてあげるべき。


根拠のある自信は、もっとできる人の前に出ると消える。
そればっかりか劣等感をもつ。できない人の前では優越感を持ってしまう。

”根拠のない自信”を与えられる親にならなくては…


親は誰しも次の二つの望みをもつ

・子どもが望んでいるような親になりたい。

・親が望んでいるような子どもになって欲しい。

それがどんんどん2番目の望みだけが肥大化していくから歪みが生じる。

過剰期待された子どもは、自分を拒否されたように感じる。
他者と比較され、自尊心を傷つけられる。


いっときの親の自尊心を満足させるか、社会的に生きていく力を身につけさせるか…

どちらが大事なことかはすぐにわかりますよね。



人は誰しも生まれたときから存在する意味を持っている。

生きる価値を持っている。

それは人間関係の中でしか実感することはできない。



とっても心に響くお話でした。