あさのあつこが「本当に書きたかった作品です」と語る作品。
友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。
二人の少年の絆と闇に迫る著者渾身の物語
読み進んでいる途中で何度も「これ、あさのあつこの作品だよね?」と表紙を見返した。
『バッテリー』とかと比べて表現が硬く男っぽいから。
聴覚器官ではなく、直接、肌を刺激しそこから沁み込んでくる声
16才の二人の少年うちの一人はそんな声の持ち主。
どんな声だろう。
こういうのは映像では表せないだろうなぁとふと思う。
自分の生活圏にいる者はみな遠い、と感じている少年
いつ消えてしまっても不思議じゃないような危うさを持つ
心に闇を抱えている
あさのあつこは、そんな少年の、゛それでも誰かと繋がっていたい゛かすかな希みみたいなものを描きたかったのかなぁ。