今回で一般商品販売最終回です。
メインは終わりましたので、サイドメニューを考えます。
⑦ 翌期首:期末商品の洗替法と切放法
切放法は翌期もその単価を使うので問題はないと思います。
洗替する場合はちょっと注意が必要です。
当期の損益には前期の評価損を考慮する必要がある
前期末 取得原価 25,000 正味売却価額 23,000 前期評価損 2,000
翌期 期首繰越商品 25,000 戻っている。
商品 2,000/商品評価損戻入額 2,000 計上する必要があります。
⑧ 仕入諸掛(間接加算)
仕入諸掛は取得原価に算入するのが一般的ですが、仕入諸掛勘定を使う場合があります。
最終的には仕入勘定と合算して表示することになります。
三分法で処理処理します。
期中処理 商品10,000円を掛けで仕入、引取費用500円を現金で支払った
間接加算の場合: 仕入 10,000 / 買掛金 10,000
仕入諸掛 500 / 現金 500
決算整理 前T/B 繰越仕入諸掛 4,000 仕入諸掛 7,500 期末商品に係る仕入諸掛 1,500
仕入振替分 4,000 + 7,500 - 1,500 = 10,000
期首振替 仕入諸掛 4,000 / 繰延仕入諸掛 4,000
期末振替 繰延仕入諸掛 1,500 / 仕入諸掛 1,500
振替 仕入 10,000 / 仕入諸掛 10,000
期末評価 先入先出法、総平均法
繰越商品 80,000 繰延仕入諸掛2,500 仕入 150,000 仕入諸掛 9,000
期末商品棚卸高 30,000 購入代価
商品 期首 80,000 + 仕入 150,000 = 230,000
諸掛 期首 2,500 + 仕入 9,000 = 11,500
総平均法 仕入に対する諸掛割合 11,500 / 230,000 = 5% 期末商品諸掛 30,000 X 5% = 1,500
先入先出法 仕入に対する諸掛割合 9,000 / 150,000 = 6% 期末商品諸掛 30,000 X 6% = 1,800
按分して期末諸掛勘定を求めることになります。
⑨ 期末商品評価
期末商品の評価はお馴染みの先入先出法、移動平均法、総平均法からの選択となります。
処理の方法はお判りでしょうから詳細は省略させていただきます。
一点、先入先出法の場合棚卸減耗損、商品評価損も先入先出法に基づき、古い単価、数量が優先することになります。
以上 一般商品販売のレシピ終了します。
レシピ一覧をまとめておきます。
① 三分法
② 原価率と利益率
③ 分記法
④ 総記法
⑤ 売上原価対立法
⑥ 売価還元法
⑦ 翌期首:期末商品の洗替法と切放法
⑧ 仕入諸掛(間接加算)
⑨ 期末商品評価
次回は社債のレシピを考えます。