舐めトンのか  | クリーチャーガレージキット人間のブログ

舐めトンのか 

ファッションセンス零の自分の夏ファッションは
黒生地に銀色ドラゴンの模様のアロハシャツ、
黒半ズボン、ビーチサンダルだ。

自分の性格を知らなければ、
ひげなんか生えてくると
ちょっとガラが悪く見える感じかもしれない。


そんな格好で「ギリシャゾンビ」を探しに
ビデオ屋周りをする日々が続き、
6件目の昨日はTUTAYAに行った。

ギリシャゾンビどころか、
ネズミゾンビ、パキスタンゾンビすらありゃしない。

最近のビデオ屋は腑抜けなのか!?
ジャケット詐欺なトランスモーファーや
ターミネーターVなんて偽物はたくさん入荷するくせに!
そう怒ってみたものの、
自分のほうが世間から離れて言っていた事を
思い出したので
ただの逆恨みは少しだけ収束した。


仕方が無いので かみさんの好きな
チェブラーシカ新作と
キックアスを借りる事にした。


レジに商品を持っていくと、
満面の笑顔で
30前後の女性店員が出迎えてくれた。

しかし、女性店員は急にオドオドし始めた。


なぜか。


おそらくサイパンの現地人のような服装をしている
なぞの男が
しかめっつらだったので動揺を隠せないのだろう。

しかめっ面なのはギリシャゾンビが
無いからなのだが。

そんなオドオドはよくあることなので
とりあえず商品をレジに置くと、
「チェブラーシカ」
の可愛いジャケットが上を向いた。


すると先程までこわばっていた女性店員の顔が
今度は真っ赤に腫れ上がった。



彼女はあからさまに口で手を隠し、
小さな声で
「しんさ・・・く・・なので・・・
一泊と2泊がお選び・・・いただけま・・・す」

と必死に笑いをこらえているのバレバレの声で
対応した。

おそらく、
グァムのマフィアのような男が
しかめっ面で持ってきた商品が
「チェブラーシカ」だったので
彼女に衝撃を与えてしまったのだろう。


1泊を選び、
金を払おうと小銭入れを出した。

すると、女性店員は
「ぶ!」と完全に噴出した。

彼女はもちろん、すぐさま失礼しました!
失礼しました!と謝りながら
咳払いをし必死にごまかしていたが、
かなりでかい
「ぶ!」であったことには違いない。


しかし、
アレほどまでに我慢していた彼女が、
何故このタイミングで
噴出したのかわからなかった。

ビデオ屋を出て、
小銭要れにおつりを入れるときに気づいた。



マイ小銭入れは、
かみさんにもらった物で、
表面には
チェブラーシカのでかい顔の刺繍がバッチリ入っていた。


マウイの犯罪者のような男が
しかめっ面で、持ってきた商品がチェブラーシカ。
そして持っていた小銭入れもチェブラーシカ。


これか・・・・思わずつぶやいた。


そして数歩歩いた後 上を向き、しばらくためたあと

「舐めトンのか」


とやるせない気持ちをつぶやいた。


夜空には、節電の為にネオンが抑えられ、
若干見えやすくなった星々が広がっていた。