カラテ 大会出場 その4 | クリーチャーガレージキット人間のブログ

カラテ 大会出場 その4

いよいよ開会式が始まった。


ベテラン選手が、選手宣誓を行っている。

順当に行けば3回戦あたる相手だ。


うわー、やだな~~。



そんな思いだった。


一回戦の前、
いつも世話をしている少年部のお母さんが
自分の為に、お弁当を作ってもってきてくれた。


その出来栄え、ボリュームたるや、
正月のおせち料理のように豪華だった。


本来喜ぶべきが、冷や汗が出た。
この量を食うとゼッタイに横っ腹が痛くなる。
動きが悪くなる・・。

飯を食った後全力疾走できないのと同じだ。
これを食ってしまうと不利になること間違いなし。



しかし、こんなに手間をかけて作ってくださった弁当を
残すわけにはいかず、やけになって全部食ってしまった。

「超おいしかったです!ご馳走様!ありがとうございました」

笑顔で弁当箱を返した。
おいしいはずのお弁当が、あせりで全然味がしなかったけど・・・。




一回戦の始まる直前、相手の方が自分の方に来た。


「先生からいつもお話は聞いております。
お強いんでしょうね!お手柔らかにお願いします」

先生が自分を強いと触れ込んでいてくれたおかげで、
相手もビビッているようだ。

ちょっと拍子抜けしてしまったが、
少し安心もした。


決勝までは行くつもりだったが、
まず1回は勝たないと。


でも、この相手だったらいけるんではないか?


気持が楽になった。


後で気付かされる。

これは、邪念だった。