韓国の親友達
高校を卒業しアメリカに着いたばかりの頃、
全く英語が話せなかった。
自分がアメリカに着いたのは向こうの夏休み期間で
学生達はみんな帰省しており、
学生寮が4ヶ月開くのでにその期間だけ寮に住んでいた。
夏休みなだけにアメリカ人は殆どいなくて
その期間をめがけてきたアメリカ外の留学生も住んでいた。
自分の寮には何故か韓国人が多く、
最初はあからさまに「日本人がいるぞ」みたいな目で見られた。
その頃の自分は本当の無知だったので
韓国と日本の確執なんて知らなかった。
自分の部屋はエアコンが壊れていて冷蔵庫のように寒いし、
それが停められない。
かといって外に出ると今度は灼熱地獄である。
アメリカの紫外線は異様に強く、
1時間も出てると露出している肌は水ぶくれになる。
最初の一日目だけ父親が付き添ってくれて、
食料を買う場所(スーパーみたいなもん)だけは知っていた。
ただ、そこまで歩いていく過程で
日輪の力によって黄色人種から黒人に人種を変えられた。
もう一度戻って買い物をする力はない!と思ったので、
とにかくソーセージを買い込んでおいた。
それ以外の売り物は得体の知れないものだった。
3日たって、
授業中相変わらず英語が全く分からず困っていると、
韓国の女の子が隣に座ってきて、色々と教えてくれた。
(夏休み期間中に、留学生用の特別授業がある)
海外の人、ましてや女の子に親切にしてもらったのは
生まれて初めてだったので妙にうれしかった。
授業が終わり寮に戻る途中、
その女の子が部屋においでといってくれた。
呼ばれるままいくと、例のいつも無愛想な韓国人達がおり、
それぞれ自己紹介してくれた。
女の子の名前はハーヤン、
ちょっと大人っぽい女性がジュナ、
サクラキンゾウみたいな顔をしたのはジョンピル、
メガネがサンミョンと名乗った。
自分はカズアキだといったら、
「カジュアキ(コリアンなまり)」と発音した。
こうやって一度仲良くなると、その後はすごく親切にしてくれた。
まるで兄弟ができたようだ。
自分の部屋にジョンピルやサンミョンが居座るようになり、
そのうちサンミョンとジョンピルは自分の部屋に越してきた。
買い込んだソーセージを見つけると
自分のあだ名は「ソーセージボーイ」になった。
部屋にはベットが二つしかなかったので寝る場所が無い!
といったが、ジョンピルは自分のベットに入ってきて寝た。
さすがに気持ち悪かったが、出て行けとはいえなかった。
こうして出来上がった家族構成は
サンミョン(男性)=母親(炊事 洗濯担当)
ジョンピル=父親(勉強 遊び担当)
ジュナ=姉
ハーヤン姉2
ソーセージボーイ(自分)=子供
だと思う。
ジュナは、ハーヤンはソーセージボーイのこと好きだよ~
と変な雰囲気に持ち込んでこようとしたが、
ハーヤンの泉ピン子顔がイマイチだった自分は
童貞にもかかわらず逃げ回った。
1ヵ月後、ジュナはビザを間違えて入国しており、
(学校側のミス)強制送還された。
そしてその数日後に
今度はジョンピルが謎の失踪を遂げた。
一人で布団に眠れると思ってちょっとホッとした。
こうやって次々と家族のような友人が失踪を遂げた。
そしてある日・・事件は起こった。
ハーヤンはホストファミリーと食事の日、
母親 サンミョン(男性)と自分の二人の留守番になった。
「ソーセージボーイ!今日は軍隊飯を作ってやる!」
と意気込んでいた。
そういえばサンミョンが料理している姿を見るのは初めてだ。
「マシッソヨ!
(美味いよ!)」
自分でも作れるかな?とちょっと気になったので見ていた。
鍋の中に赤いスープとごま油をいれ、
種のついているモヤシやほうれん草風の野菜、
肉を入れ飯を入れて混ぜていた。
最後に、生卵を入れて、
雑な男料理風でいかにも美味そうだった。
「サンミョン!グッド!」
と自分も喜んでいたのもつかの間、次の瞬間
ペッ!ペッ!コァァァアッ!ペッ!
サンミョンがおもむろに唾を鍋に吐き付け出した。
おいおい、なにしてくれてんの!?
台無しじゃねえか!
すぐさまなにをやってるのかサンミョンに聞くと
水気が足りなかったらしく、
粘り気のある唾で補充したという。
あほなのか!?これが軍隊式?
きったねえ!食えるか!
とは言えない!
サンミョンは相変わらず
「マシッソヨ!マシッソヨ!(おいしいよ!おいしいよ!)」
ふん、ふん、と顎を突き出しながら食えと迫ってくる。
グイグイと鍋が顔に迫ってくる。
結局どうしようも無くなったソーセージボーイは、
「ノオオオオオ!!!」と言って部屋を飛び出していった。
今までの親切を裏切るのは分かっていても、
たとえサンミョンが傷つこうとも、
さすがにツバキ交じり飯は食えなかった。
その後、サンミョンは一人でたいらげたらしい。
別に傷つきもしなかったようで少しホッとした。
その数日後、ナイアガラから絵葉書が届いた。
ナイアガラに知り合いなんかいねえよな?と思っていたら、
ジョンピルだった。
「ソーセージボーイ、自分は今ナイアガラの滝にいる。
天才(おそらくジョンピル自身)はあと1週間ほどで帰るから、
いい子にしてるように」
・・・・・・。
そういえば帰国後、国内で出来た韓国の友達に
その軍隊料理の事を聞いたら、
「なにそれ?」といわれたなぁ・・
全く英語が話せなかった。
自分がアメリカに着いたのは向こうの夏休み期間で
学生達はみんな帰省しており、
学生寮が4ヶ月開くのでにその期間だけ寮に住んでいた。
夏休みなだけにアメリカ人は殆どいなくて
その期間をめがけてきたアメリカ外の留学生も住んでいた。
自分の寮には何故か韓国人が多く、
最初はあからさまに「日本人がいるぞ」みたいな目で見られた。
その頃の自分は本当の無知だったので
韓国と日本の確執なんて知らなかった。
自分の部屋はエアコンが壊れていて冷蔵庫のように寒いし、
それが停められない。
かといって外に出ると今度は灼熱地獄である。
アメリカの紫外線は異様に強く、
1時間も出てると露出している肌は水ぶくれになる。
最初の一日目だけ父親が付き添ってくれて、
食料を買う場所(スーパーみたいなもん)だけは知っていた。
ただ、そこまで歩いていく過程で
日輪の力によって黄色人種から黒人に人種を変えられた。
もう一度戻って買い物をする力はない!と思ったので、
とにかくソーセージを買い込んでおいた。
それ以外の売り物は得体の知れないものだった。
3日たって、
授業中相変わらず英語が全く分からず困っていると、
韓国の女の子が隣に座ってきて、色々と教えてくれた。
(夏休み期間中に、留学生用の特別授業がある)
海外の人、ましてや女の子に親切にしてもらったのは
生まれて初めてだったので妙にうれしかった。
授業が終わり寮に戻る途中、
その女の子が部屋においでといってくれた。
呼ばれるままいくと、例のいつも無愛想な韓国人達がおり、
それぞれ自己紹介してくれた。
女の子の名前はハーヤン、
ちょっと大人っぽい女性がジュナ、
サクラキンゾウみたいな顔をしたのはジョンピル、
メガネがサンミョンと名乗った。
自分はカズアキだといったら、
「カジュアキ(コリアンなまり)」と発音した。
こうやって一度仲良くなると、その後はすごく親切にしてくれた。
まるで兄弟ができたようだ。
自分の部屋にジョンピルやサンミョンが居座るようになり、
そのうちサンミョンとジョンピルは自分の部屋に越してきた。
買い込んだソーセージを見つけると
自分のあだ名は「ソーセージボーイ」になった。
部屋にはベットが二つしかなかったので寝る場所が無い!
といったが、ジョンピルは自分のベットに入ってきて寝た。
さすがに気持ち悪かったが、出て行けとはいえなかった。
こうして出来上がった家族構成は
サンミョン(男性)=母親(炊事 洗濯担当)
ジョンピル=父親(勉強 遊び担当)
ジュナ=姉
ハーヤン姉2
ソーセージボーイ(自分)=子供
だと思う。
ジュナは、ハーヤンはソーセージボーイのこと好きだよ~
と変な雰囲気に持ち込んでこようとしたが、
ハーヤンの泉ピン子顔がイマイチだった自分は
童貞にもかかわらず逃げ回った。
1ヵ月後、ジュナはビザを間違えて入国しており、
(学校側のミス)強制送還された。
そしてその数日後に
今度はジョンピルが謎の失踪を遂げた。
一人で布団に眠れると思ってちょっとホッとした。
こうやって次々と家族のような友人が失踪を遂げた。
そしてある日・・事件は起こった。
ハーヤンはホストファミリーと食事の日、
母親 サンミョン(男性)と自分の二人の留守番になった。
「ソーセージボーイ!今日は軍隊飯を作ってやる!」
と意気込んでいた。
そういえばサンミョンが料理している姿を見るのは初めてだ。
「マシッソヨ!
(美味いよ!)」
自分でも作れるかな?とちょっと気になったので見ていた。
鍋の中に赤いスープとごま油をいれ、
種のついているモヤシやほうれん草風の野菜、
肉を入れ飯を入れて混ぜていた。
最後に、生卵を入れて、
雑な男料理風でいかにも美味そうだった。
「サンミョン!グッド!」
と自分も喜んでいたのもつかの間、次の瞬間
ペッ!ペッ!コァァァアッ!ペッ!
サンミョンがおもむろに唾を鍋に吐き付け出した。
おいおい、なにしてくれてんの!?
台無しじゃねえか!
すぐさまなにをやってるのかサンミョンに聞くと
水気が足りなかったらしく、
粘り気のある唾で補充したという。
あほなのか!?これが軍隊式?
きったねえ!食えるか!
とは言えない!
サンミョンは相変わらず
「マシッソヨ!マシッソヨ!(おいしいよ!おいしいよ!)」
ふん、ふん、と顎を突き出しながら食えと迫ってくる。
グイグイと鍋が顔に迫ってくる。
結局どうしようも無くなったソーセージボーイは、
「ノオオオオオ!!!」と言って部屋を飛び出していった。
今までの親切を裏切るのは分かっていても、
たとえサンミョンが傷つこうとも、
さすがにツバキ交じり飯は食えなかった。
その後、サンミョンは一人でたいらげたらしい。
別に傷つきもしなかったようで少しホッとした。
その数日後、ナイアガラから絵葉書が届いた。
ナイアガラに知り合いなんかいねえよな?と思っていたら、
ジョンピルだった。
「ソーセージボーイ、自分は今ナイアガラの滝にいる。
天才(おそらくジョンピル自身)はあと1週間ほどで帰るから、
いい子にしてるように」
・・・・・・。
そういえば帰国後、国内で出来た韓国の友達に
その軍隊料理の事を聞いたら、
「なにそれ?」といわれたなぁ・・