からて 汁 大会 最後(長いよ)
いよいよ汁の決勝戦だ!というところで、
「これでもういいだろ」
と汁がビデオを消した。
えーーー、そこから先が観たかったのに~~!
と言いかけたが、
そういえば、トロフィーをもらってきた日、そう、大会の当日
汁の顔は傷だらけ(というか腫れ)だった。
その時、彼の身を案じて声をかけたけど、
無言で部屋に入っていったので、それ以上深追いできなかった。
身を案じた分、その日に何が起こったのか大体わかっていたので
(トロフィーには驚いたけど)
友人としてはそれ以上突っ込めなかった。
仕方ないので彼の部屋を後にした。
で、彼がいないときに部屋に侵入して続きを見た。
この試合のことは、今でも鮮明に思い出せるので、
なるべく細かく書いておく。
遂に決勝戦、中級の部でも、さすがに盛り上がっている。
汁はアナウンスで「ジル ニボドゥフ!」と呼ばれたとき、
「アチャーーー!」と返事をした。
すごく間抜けだったけど、会場は沸いていた。
相手もリング(マット)に呼ばれ、両者向かい合った。
汁の彼女、モニカもすごく応援している。
そしていよいよ試合開始!
汁は相手には向かっていかず、
相手も汁には不用意に近づかなかった。
お互いに出方を伺っている。
今までと違う雰囲気に、さすがに自分もちょっとドキドキしてきた。
お互いの距離がだんだん縮まっていき、
遂に間合い(パンチやキックがあたる距離)になったとき、
汁は「アチャー!」と裏拳気味のパンチを出した。
相手は面食らってか、受けただけで手を出さない。
次に汁はすごくヘタクソなステップを使い出して、
相手と距離をとり、今度は蹴りにいった。
蹴りは何故か明後日の方向に向かって思いっきり宙を切り、
バランスを崩した汁はそのまま転んだ。
が、汁はそのままでんぐり返しをして立ち上がった。
会場はその汁の動きに「おおおおっ」と沸いていた。
その直後、相手が汁に急接近して、
パンチを打ってきた。
やべえと思ったけど、汁に近づきすぎた所為か
相手のパンチは、あたってはいたけど
思ったほどクリーンヒットしてなかった。
汁が出した技は防がれる、もしくは空振りだけど、
何故かあれ?なんか汁、いけるんじゃね?
とちょっと思い出してきた。
まだ余裕の汁。
調子こいてブルースリーの物真似な動きをして、
相手を挑発している。
すると次の瞬間、汁は両腕で頭をロックされた。
動けなくなった汁の顔や腹に、膝蹴りが飛んできた。
無防備にもらい続ける汁。
しばらくすると、レフェリーが割って入り、お互いコーナーに戻る。
コーナーに戻った時の汁の顔は、
おそらくダメージと窒息で、真っ赤だった・・・。
あ、やばいかな?
と思ったら、急に汁がレフェリーに猛講義しだした。
どうやら、つかみ技は反則らしい。
レフェリーもうなずいて、相手に注意を促した。
試合再開。あっという間の出来事だけど、汁に余裕の顔はもうない。
相手が攻撃しようとすると、目をつぶって顔を避けた。
経験者になった今でこそ分かるけど、
この行動は攻撃する側にとっては格好の的。
バッカンスッカンパンチをもらった。けりまで。
カメラを写す、モニカの悲鳴。
汁はそのままコートに倒れこみ、
顔を上げたときはダーッと、顔面からすごい量の血が垂れた。
結果、汁の戦意喪失?で負け。
ああ、カワイそうに汁・・・。
この姿は、中国拳法をいつも自慢している相手には見せられないわ。
という事で、結果負けてしまったけど、
準優勝という事でトロフィーはもらって帰ってきた。
これは10年前の話だけど、アメリカってのは広くて、
こんなおかしな大会も普通に行われていたようだ。
日本でも、これはありえねえと思う格闘技の試合は多々あるけど、
ただ、ここまで捻じ曲がったのは観たことが無い。
そういえば、大学の近所に「トレイシーカラテ」というのがあって
ドアのところに「いらっしゃいませ」という札、
道場内の掛け軸に「あじのもと」という謎のメッセージ、
帯の色は全40色、
極めつけは道場の一角が謎の日本庭園になっていたという
不思議な道場があった。(自分の父親の海外の友人が、
そこに息子を通わせていたという事実も存在)
まあ、寿司で例えるなら、
ニューヨーク等で韓国人がやっている
カリフォルニアロールを出す店のようなもんなんだろうか。
(伝わりにくいか・・・)
とにもかくにも、汁とはこういう人物だ。
そして、自分も、結構自身がついてから再度アメリカに行き、
こういう人たちと戦う機会があった。
その話はまた今度。
「これでもういいだろ」
と汁がビデオを消した。
えーーー、そこから先が観たかったのに~~!
と言いかけたが、
そういえば、トロフィーをもらってきた日、そう、大会の当日
汁の顔は傷だらけ(というか腫れ)だった。
その時、彼の身を案じて声をかけたけど、
無言で部屋に入っていったので、それ以上深追いできなかった。
身を案じた分、その日に何が起こったのか大体わかっていたので
(トロフィーには驚いたけど)
友人としてはそれ以上突っ込めなかった。
仕方ないので彼の部屋を後にした。
で、彼がいないときに部屋に侵入して続きを見た。
この試合のことは、今でも鮮明に思い出せるので、
なるべく細かく書いておく。
遂に決勝戦、中級の部でも、さすがに盛り上がっている。
汁はアナウンスで「ジル ニボドゥフ!」と呼ばれたとき、
「アチャーーー!」と返事をした。
すごく間抜けだったけど、会場は沸いていた。
相手もリング(マット)に呼ばれ、両者向かい合った。
汁の彼女、モニカもすごく応援している。
そしていよいよ試合開始!
汁は相手には向かっていかず、
相手も汁には不用意に近づかなかった。
お互いに出方を伺っている。
今までと違う雰囲気に、さすがに自分もちょっとドキドキしてきた。
お互いの距離がだんだん縮まっていき、
遂に間合い(パンチやキックがあたる距離)になったとき、
汁は「アチャー!」と裏拳気味のパンチを出した。
相手は面食らってか、受けただけで手を出さない。
次に汁はすごくヘタクソなステップを使い出して、
相手と距離をとり、今度は蹴りにいった。
蹴りは何故か明後日の方向に向かって思いっきり宙を切り、
バランスを崩した汁はそのまま転んだ。
が、汁はそのままでんぐり返しをして立ち上がった。
会場はその汁の動きに「おおおおっ」と沸いていた。
その直後、相手が汁に急接近して、
パンチを打ってきた。
やべえと思ったけど、汁に近づきすぎた所為か
相手のパンチは、あたってはいたけど
思ったほどクリーンヒットしてなかった。
汁が出した技は防がれる、もしくは空振りだけど、
何故かあれ?なんか汁、いけるんじゃね?
とちょっと思い出してきた。
まだ余裕の汁。
調子こいてブルースリーの物真似な動きをして、
相手を挑発している。
すると次の瞬間、汁は両腕で頭をロックされた。
動けなくなった汁の顔や腹に、膝蹴りが飛んできた。
無防備にもらい続ける汁。
しばらくすると、レフェリーが割って入り、お互いコーナーに戻る。
コーナーに戻った時の汁の顔は、
おそらくダメージと窒息で、真っ赤だった・・・。
あ、やばいかな?
と思ったら、急に汁がレフェリーに猛講義しだした。
どうやら、つかみ技は反則らしい。
レフェリーもうなずいて、相手に注意を促した。
試合再開。あっという間の出来事だけど、汁に余裕の顔はもうない。
相手が攻撃しようとすると、目をつぶって顔を避けた。
経験者になった今でこそ分かるけど、
この行動は攻撃する側にとっては格好の的。
バッカンスッカンパンチをもらった。けりまで。
カメラを写す、モニカの悲鳴。
汁はそのままコートに倒れこみ、
顔を上げたときはダーッと、顔面からすごい量の血が垂れた。
結果、汁の戦意喪失?で負け。
ああ、カワイそうに汁・・・。
この姿は、中国拳法をいつも自慢している相手には見せられないわ。
という事で、結果負けてしまったけど、
準優勝という事でトロフィーはもらって帰ってきた。
これは10年前の話だけど、アメリカってのは広くて、
こんなおかしな大会も普通に行われていたようだ。
日本でも、これはありえねえと思う格闘技の試合は多々あるけど、
ただ、ここまで捻じ曲がったのは観たことが無い。
そういえば、大学の近所に「トレイシーカラテ」というのがあって
ドアのところに「いらっしゃいませ」という札、
道場内の掛け軸に「あじのもと」という謎のメッセージ、
帯の色は全40色、
極めつけは道場の一角が謎の日本庭園になっていたという
不思議な道場があった。(自分の父親の海外の友人が、
そこに息子を通わせていたという事実も存在)
まあ、寿司で例えるなら、
ニューヨーク等で韓国人がやっている
カリフォルニアロールを出す店のようなもんなんだろうか。
(伝わりにくいか・・・)
とにもかくにも、汁とはこういう人物だ。
そして、自分も、結構自身がついてから再度アメリカに行き、
こういう人たちと戦う機会があった。
その話はまた今度。