the idealest job | 流ゆく日々

流ゆく日々

一日で印象が強かったものを書き綴るブログでございます。

今朝書いたブログネタの「理想の朝食」にあやかって、流の理想の職業について語ろうと思います。

なぜ、そんなことを書くのかというと・・思い付きですww


本題に戻りましょう。

理想の職業とは労働時間が特に規定されない自由な職業です。

流のイメージではもの書きです。

実際は締め切りとかいろいろ大変で自由でもないんでしょうけど・・


というわけで今日は短編小説でも書いてみようと思う。

わかると思いますが、理想の職業云々は小説を書くための前置きですww


流は素人ですので至らない点が多々あるはずです。

そういう点は見逃せるという人のみ閲覧してください。

無理って人はブラウザのバックをクリックだ!



それでは流劇場が始まるよ~






「だから謝ってるだろ?忘れてたのは悪かったよ。それに昨日は他の用事もあったんだ。」


「なんであんたはそんなにいい加減なの!?忘れてたなんて言い訳がいつまでも通用すると思わないでよ!」



登校してきたとたんヒステリックな金切り声を耳にして不愉快な気持ちで一日が始まる。

言い争ってる(というより一方的に責められてるのだが)のは飛田に檜山といって同学年では有名なカップルだ。

二人とも端麗な容姿をした社交的な人物だが、飛田はいい加減な男でスケジュール管理がまるでできない。

一方檜山は思い通りにことを運ばないと気がすまない性質で、うまくいかないとすぐにヒステリーを起こす。


要するにあのカップルは外見とキャラによる人気と欠点によりクラスを不快にさせる喧嘩で有名なのである。

僕が教室に入ってから席に着き、一限目の準備を終えてもまだ口喧嘩は続く。


「相変わらずあいつらは騒がしいねぇ。今回は飛田は何をしたんだ?」


「友貴、今日は早いな。僕もまだ来たばかりだから正確にはわからん。」


「それにしても飛田も悪いけど檜山も檜山だ。あいつがいい加減なのはずっと前からわかりきってることだろうに。明風に通ってもう4年半だぜ?」


明風(めいふう)というのは僕らが通う高校の名前だ。

県下では私立明風高校というのは進学校としてよく知られる。

そして僕らはその高校の内部進学生で、中学からここに通っている。あまり人数も多くないため中一のころには同学年はほぼ全員と知り合える。


そして彼は愛知友貴(あいち ゆうき)。

彼とは小学校時代からの友人で僕にとってはもっとも仲がいい友人だ。


「あの金切り声には僕もうんざりしてるんだ。でもその金切り声をいつも浴びせられても続いてるんだからあの二人はなんだかんだで仲がいいんだよ。そんなに仲がいいのは羨ましいよ。」


「仲がいいのは確かだな。知ってるか?檜山のやつ今はあんなに飛田のこと責めてるけどさ、加田が飛田の悪口言った時は檜山と加田が大喧嘩したって話。今も加田は檜山の集団からはぶられてるしさ。」


「加田さんは最近一人なのが多いのはそういうことだったんだ。」


事実を知った僕は率直な感想を漏らす。


「でもあれだけ不満がありながら友人を減らしてまで恋人を優先するってのはどうなのかねぇ。俺は違う気がするけどな。友達は大切にしないと。」


「檜山だって友達は大切にしてるだろうけど、いざ彼氏を悪く言われたら思想面を超えて感情的になっただけだろ。あとお前は思想面を大事にしすぎだ、何回も言ってるけどな。時には感情が割り込んだりもするんだよ。」


「感情を理性で抑えた最も賢い生き方をってのが俺の座右の銘だからな。・・おっと、先生が来たな。じゃあな。」


友貴は自分の席に着いた。



今日最後の授業が終わるころに雨が降り出した。

朝は晴れ渡ってて、天気予報でも降水確率は低かったから僕は傘を携帯していなかった。

朝の口喧嘩に続き、また不愉快が募る。



明日には不愉快は頂点に達した。


昼休み直前の四限目の授業の途中に麗華からメールが来た。


「話したいことがあるからお昼一緒に食べない?」

麗華とは付き合い始めてもう1年になるが、麗華から誘ってくることは珍しいので、僕は快諾した。



今日は土曜日で、授業は午前中だけ。

だから午後からはどこかに遊びに誘おうなどと計画した。



麗華に会いに中庭へ行く。


「ごめん、ちょっと遅くなった。それで話って何?」


「私、好きな人ができたの。」


「えっ」


その一言で僕は凍りついた。

変にデートしようなんて考えた分余計に。


「だから、勇夫とはもう今日限りで今の関係は終わりにして。」


「ちょっと待ってよ!好きな人って誰!?」


思わず感情的になる。


「・・愛知君。」


ここで僕はもっとも聞きたくない名前を耳にした。


「友貴は麗華をどう思ってるのか知ってるのか!?」


「・・ええ。昨日告白したら首を縦に振ってもらえたわ。」


「そんな・・。」


僕の頭は真っ白になった。

親友と恋人。どちらにも裏切られた。

そのとてつもない喪失感のうち、麗華はごめんなさいとだけ言い残して去っていった。


喪失感ののち、次は悔しさが沸き、中庭で一人涙を流した。

昨日の雨の影響か、空は相変わらずどんよりしている。

少し経ってから小雨となり、僕は重い足取りで家へ帰った。


家に着くころには気持ちも少しは静まった。

どうしても納得がいかない僕は友貴に電話をかけた。


「友貴、用件はわかってるな?」


「・・・・・・中道のことだな。」


「そうだ。お前は僕と麗華の関係を知ってた。なのにお前は麗華と交際を始めるのを踏み切ったそうじゃないか。」


「ごめん、ほんとうにごめん!」


「聞きたいのはそんな言葉じゃない。どういう了見だ。お前は友達である僕を犠牲にして恋人を得たんだ。お前が否定していたやり方で。」


「・・俺だって、昨日の夜にメールが来て一晩考えたんだ。それにお前には言ってなかったけど俺も好きだったんだよ。中道のこと。いい加減な気持ちで出した結論じゃないんだよ。」


「・・・・そうか。いい加減に出した結論じゃないなら犠牲にしたものがどんな行動にでるかも考えたよな?」


「・・ああ。我侭な発言だってことはわかってるけど、俺はこんな道を選んでしまったけどお前とはずっと友達でいたかったよ。・・・・・・ごめんな。」


「・・・・・・もういいよ、そこまで考えが及んでることはわかってたから。昔からの付き合いだしな。」


この一言を最後に僕は電話を切った。

友貴は自らの欲望と友情を天秤にかけ、この結論を選んだ。

そこにどれだけの葛藤があったかは想像に難くない。

それは友貴の電話の口調からも十分伝わってきた。


だが友貴は結局長い間積み重ねてきた僕らの友情よりもまだ始まったばかりで不安が多い麗華との関係を選んだ。結局、友貴も理性や思想を超えた感情を制御しきれなかった。



数ヵ月後、僕も裏切られた傷は癒え、友貴や麗華に対する憎悪の念は理性で抑えられるようになったが、友貴と友達でいたいという感情までは制御しきれず、今でも交友は続いている。


しかし、まだ完全に溝は埋まったわけではない。



(続かない)



どうでしょう?

感想をお待ちしています。(ハッピーエンドじゃなくてサーセンww)