『それで良いでしょう。』



「なぜですか?
神業はまだ終わってはいないでしょう?」

『神界はもう次に継ぐ準備は終えました。
後は実行するのみです。
生宮の方が遅れているのでは無いかな?』

「えっ!
神界もまだ第四世代に正式に代わられたのは、祓いどの神様のスサナル之大神様だけではありませんか?」

『順次続いて行くでしょう。
時間の問題です。
生宮の為の準備も、五島家で済ましたはずですが?』

「えっ?
何時ですか?」

『平成29年(2017年)の1月2日に人祖珠之宮に、根元様が五元魂を注入されたが、そのことをK子殿には教えたはずだが、聴いておられないのかな?』

「あっ!忘れていました。
と言うより、理解出来ていませんでした。
そう言えば、あの通信を聴いた時に第四世代の神という注釈が御座いましたね?
ということは、雫とか、日御子とか、新人の神人に代わるということでしょうか?」

『そうです。
五島殿達の年代が随分進み、神化人霊界にも沢山呼び寄せたから、徐々に交替して行くでしょうね。』

「私もそちらに行くのですか?」

『いや、五島殿はまだ、そちらでの御役が終わって無いので、まだ来れませんね。』

「 私の現世での残った御役とは何でしょう?」

『何の為の珠之宮守を任されておられますか?』

「あっそうですね!
我が家の人祖珠之宮の御神名は、

『人祖之神様、人祖神界人祖様、人祖神界若人之神様、人祖若人之神様』

でした。
これからの我々神人の世代交代を我が家の人祖之神様方と育てるお役が残っているのですね!
ふー!」

『五島殿、きついですか?しんどいですか?
だから今回体を更正する為に入院しているのですよ!
元気になって、神の熱い思いを貴方が成就させてくれる様に願っています。』

「そんなに世代交代は厳しいのですか?」

『はい、かなり大変なことです。
少し落ち着くまでは、神も神縁魂の選別に悩むでしょうから、生宮もその影響を受けることがあるでしょう。
そのことは五島殿、覚悟して務めて下さい。』

「解りました。
心しておきます。」

『貴方は気付いて、いないようですが、
神人の中でももう、若人の魂の選別は始まっているでしょう?
良く考えてみて下さい。
貴方が不満に思っていることも含めて!』

「私の不満?
ああ、

『雫』

のことですか?
御存知でしたか?
そうですよね、神様には隠し事は出来ませんよね!」

『雫のことはちと、魂選びが難航して神仕組みの通りにはいかなんだ。
貴方には、平成31年(2019年)7月頃、貴方の前に現れると教えたはずですね!
でも、考えてみて下さい。
その年は来ませんでしたね!
平成から令和に元号が変わり、悪神達が天皇を動かして、異例な元号変更となった為に神仕組み自体が壊れました。
神が貴方を騙したと思っているのでしたら、それは違います。
貴方に教えることが遅くなったことは謝ります。』

「では、雫殿自体はこの世に誕生していないのですか?」

『いいえ!
誕生は予定通り鳥取の大山町名和の名和神社近くで、平成7年(1995年)7月7日に誕生しましたが、二人を会わせてちき殿の神統を継がせるつもりの肝心な仲立ち役のM子殿が神人の取り継ぎ役という大事なお役を悪神の操作で頓挫してしまって、会わせる予定の平成31年(2019年)9月30日よりもずーっと前の平成12年(2000年)3月に居なくなり、神仕組みが繋がらなくなったのです。』

「では、この神仕組みは終わったということですか?」

『別の神仕組みを計画して根元裁可を得て、進行中ですから、五島殿、楽しみにしておいて下さい。』

「今度は神隠しをしないで下さいよ!
一度、平成7年(1995年)8月3日でしたが、日の御子といわれて、神人の娘子が有明海出口の湯島で天の架け橋、三全根元柱立祭事の先達を行いましたが、あの娘はどうなのですか?」

   有明海出口の湯島

『ああ、あの時は神仕組みが継続中でやむ終えず、代役をして貰ったのだよ。
今の神人の仲間では、五元魂が完成した、女の子と神通司見習いの女の子が育っているだろうが!』

『王子様が生まれる。』

と言ったのですが、そのことは?」

『今回の神仕組みは、念を入れて魂選びをしているから、まだ何も決まったものは無いのです。』

「分かりました。
おそらく、今夜で終わりになると思いますが、次に御会いできるのは、1月末の東北の神業ですね?」

『そうですね!
もう今夜はお戻りになられますか?』

「はい、これ以上お訊ねすることも、見学することもありませんので、神々様方に今回のおもてなしを深く感謝して、現実の世界に戻ることにします。
本当にありがとうございました。」

『根元芯様、この神人を宜しく御守り下さいませ。
我々この神界の総神は、頭を垂れて、お見送り申し上げます。』

五島が気が付くと目の前に巨大な龍体が正座してその後ろにずらりと、龍体神が居並んでいた。
その数は地球管理神界全員と思われた。
その代表として地乃世界之大神様が先頭に立たれて正座されていたのでした。
そして一斉に二礼三拍手一礼して、

『神情広大   天地弥栄
やさかましませ  いやさかましませ・・・』

と全員で唱えてまた二礼三拍手一礼をした。
五島は腹の中で、ぶるっと何かが震えたのを感じた。

『五島殿戻りましょうか?』

と日乃出七殿が囁いた。

「お早う御座います。
今日は良い天気です。
退院日和ですよ!」

という看護師の声が耳に響いた。

                                                                (完)

長い間、お読み下さりありがとうございました。
これでこの小説は欄筆と致します。
私の空想と現実の神業のことも加えて書き上げたものです。
明後日2月20日からは新しい小説を掲載します。
古代ロマンス小説【鬼の子】です。
宜しくお願い致します。