自宅に戻った芯は早速、部署内の会議を開いた。


「今日の会議はこれからの我々水火土機関の仕事を二つのことに搾りたいと思い集まって貰った。
その仕事とは、第一には、外国の特にC国、K国、それにソ国のスパイ行動を阻止すること。
第二は外国人が日本国内の土地を買い漁っていることを阻止することだ。
先ず、第一の議案に関して議論してくれ。
チキ君が議事を進行させておくれ!」

「はい、分かりました。
では、先ず、第一の議案、これは今モモ殿、ソフト開発はどこまで進んでいますか?」

「はい、既にかなりの情報が盗み取られているのは事実ですので、それを先ず取り返すと為に外国の主な国のホストコンピューターや各省庁やスパイ行動をしていると思われる部署のメインのみならず、個人のパーソナルコンピューターにまでも、洩れなくリサーチしてハッカー行為をして、主な情報を全て抜き出して、そのあげく、各コンピューターの記憶を全て破壊するとかいう、私達が『八咫烏』(やたがらす)と名ずけた協力なソフトを完成していますので、それを使いたいと思っているのですが、あと、一つ、これから盗まれる情報をどう防御するかという良い案が出ずに困っています。」

「ふむ、その『八咫烏』は完成しているのか?
使用後の痕跡で何処の仕業か証拠が残ることはないのか?」

「はい、その点にはかなり用心して仕上げております。」

一人のソフト開発担当者が手を挙げて発言を求めた。

「はい、そこの、エーッと、名前は何と言ったかな?
今手を挙げた人。」

「はいソフト開発係の村田耕作と言います。」

「ああ、村田君、何か意見があるのですか?
この『八咫烏』の開発者です。
彼はとても優秀な開発者ですよ。」

とモモが言った。

「どうぞ、村田さん意見があるなら発言して下さい。」


「はい、私が思うに回線が繋がっている以上は、SNSで発信される情報は自動的に通知蓄積されるので、それを阻止する為には、回線を閉じるか、あるいは全てのSNSに発信禁止、いや記録禁止の何かのソフトを仕込むしか方法は無いのではないのかと思いますが!」

「うむ、そうだな、そう、思えるな!
それで君はどうする?」

「はい、イタチゴッコになるかも知れませんが、先ず、『八咫烏』を実行して、そのソフト内にその後、同じように記憶出来ない様になる記憶装置破壊ウイルスを置いて来るようにして、ただひたすらに『八咫烏』を稼働させて、新しいコンピューター器機とSNSの発せられる情報とをガードする方法しかないと思います。」

「なるほど、良い案だと思う!
その内に他の方法が見付かるかも知れないわね!」

「ようし!
その案で行こうか!
そんなに時間をかける訳にはいかないから、次の件もあるからな!」

「ところでC国に勧誘されてあちらに渡って就職した技術者達はどうしましようか?」

「チキ、上にお伺いしてみておくれ!
どうすれば良いか?」

「はい、『彼方側の行為も指導するものは、神では無いが、この世を造る時に思わずして出来た産物なので、無視出来ない、しかし今は手を出すな!
その内に自滅する時が必ず来る。
多分、内部分裂から始まり、中共政治は必ず崩壊する。』と言われています。」

「そうか、それでは『八咫烏作戦』を実行してみよう。」

「了解しました。
それでは明日から村田君のチームは『八咫烏作戦』を実行して下さい。
他の人達は、簡易電波妨害ソフト の開発と、電磁波発生装置の開発にかかって下さい。
以上。
今日のミーティングはこれで終了とします。」

芯は松浦暴犯部長を呼び出していた。

「先生、お呼びでしょうか?」

と、その日の午後松浦が訪ねてきた。

「おう、松浦君、暴犯部の人員は揃っているかね?」

「はい、予定の約半数は確保しました。
あと、10名程面接は終えているのですが、今はチキさんの神伺い待ちとなっています。」

「それで決まった隊員の訓練はどうなっている?」

「はい、今は25名の採用決定の隊員の基礎訓練を自衛隊の春日原駐屯地で訓練してもらっています。」

「その中から優秀な10名程を選抜してスパイ行動の知識を習得させる為にスミちゃんに頼んでアメリカのNSAに派遣して、向こうで訓練させてくれ!
それから基礎訓練を終了した者達をとりあえず、対馬に派遣させる準備をして下さい。」

「対馬ですか?」

「そう、君が隊長として乗り込んで、対馬下島の浅茅湾淵の竹敷の海上保安庁の船舶係留地の近くの個人の土地を買い漁ってくれないか?」

「それはどういう意味ですか?」

「うむ、今の対馬は日本国の一番K国と近い国境線を、観光目的で大勢の旅行客を送り込んで、その旅行客相手の店や旅館、ホテル、食堂を造るんだいう名目で対馬の土地を買い漁っていて、既にメインな土地の半分位はK国人の持ち物になってしまっているんだ。
非常に危険な状態なんだ。
対馬駐在の海上保安庁の船舶基地の回りの土地は全てK国人の所有となっているそうだ!
今はコロナウイルスの影響を受けて、K国の旅行客は来れなくなってはいるが、何時また旅行が自由に解禁となるやも知れぬから、今の内に何かの手を打っておかないと、気がついた時には、竹島に乗り込んだ様に実行支配をされているということに成りかねない危険性があるんだよ!」

「それでどうするんですか?」

「それで、今の海上保安庁の船舶基地のある竹敷町のK国人の所有する土地の外側をぐるりと囲む様に買い取ろうと思っているんだ。
その交渉を松浦君に頼みたいのだよ、そして、買い取ったら、プレハブでも建てて、暴犯隊員を住み込ませて、軍事訓練でもして、少しづつ対馬からK国民を追い出したいのだ。
それがある程度、成功するなら、次は北海道から、C国民を追い出す様にしたいのだよ!」

「分かりました。
直ぐに準備します。」

芯はチキやヒミに暫く、休暇をとって、休むと伝えて、芯は旅に出た。
行き先は釣竿やクーラーを持って九州商船のジェットホイル「ヴィーナス」に乗って、博多港から対馬の厳原港に渡ったのでした。
厳原港には、懐かしい顔が、にこにこしながら、日焼けして真っ黒になった顔に皺を寄せて芯を出迎える一人の漁師がいた。

「神下さん、久しぶりです!
もう釣は止められたのかと思っていました。」

「ハハハ、御無沙汰です。
今回はお世話になります。
健ちゃん、元気そうだね!」

「はい、K国の客が来ないので、釣り場も綺麗になって来ましたし、暇だから毎日、チヌばかり釣っています。
たまに、神下さんの好きな大鯛も釣れていますよ!」

そう言って、芯の荷物を小型中古のトラックに積み込んで、芯を乗せて動き出した。

「おお、懐かしいなあ!
浅茅湾が見えてきた。

    対馬浅茅湾

でも、なんだい?
ここいらの看板は?」

「そうなんだ!この当たりは殆どの土地や建物はK国人の持ち物になっているんですよ!
うちの廻りも殆んどなんです。」

「えっ!海上自衛隊の廻りもかね!」

「そうなんですよ!
私のところにも、コロナウイルスが流行する前までは、毎日、K国人が家と土地を売って来れとうるさい位に来ていたのですよ!」

「うん、実は、今日はそのことを調査しに来たんだよ!
健ちゃん、家を売る気はあるかい?」

「えっ?
うちの釣り宿をですか?」

「そう、C国人を追い出す前線基地にしたいんだ。
健ちゃんの希望金額で買い取るけどな!」

「良いですよ!
丁度、もう止めたいと思っていたところですから。
かあちゃんも、もう釣り宿の経営をもて余していたところなので、
もう、二人でゆっくりと老後を過ごしたいですよ!
出来れば、九州本土に移りたいところですから。」

「よし、決まった。
すぐ買い取ってやるよ!
しかし、一つだけ条件があるんだが!」

「なんですか?条件とは?」 

「うん、今回のK国土人追い出しの土地購入を手伝ってはくれないか?」

「K国人との土地売買の交渉ですか?」

「いいや!
地元の日本人との土地売買交渉だけど!」

「良いですよ!それなら、この辺の人は殆どが知り合いですから!
それで、神下さんが買うのですか?」

「いいや、私の解雷神社か、日本国が買うことになると思うよ。」

「分かりました。
今夜ゆっくりと飲みながら話をしましょう。」

                                                                         (つづく)