芯はヘリで、チキやヒミ達主要メンバーと天神町のビルの暴犯部に入った。

既に、辻部長もハンソン長官もお伴の2名の部下を連れて来ていた。

「遅くなりました。」

「いいえ、予定の時間までまだ10分ありますよ。
お疲れ様です。
一休みして下さい。」

と辻部長が言った。

「その間にこの書類に目を通して置いて下さい。
ハンソン長官から頂いたものです。」

表題には

『日本に於ける中国スパイの行動』

と書かれていた。

「それでは時間になりましたから、会議を始めます。
私、辻が司会役を務めさせて頂きます。
宜しくお願いします。
先ず、今日は遠路アメリカよりトム、ハンソンNSA次官がお出で頂き、我が国のこの水火土機関を具にご覧頂き、その上、今日このように質疑応答の時間として会議のお時間を頂きましたことをお礼申し上げます。
それでは始めにハンソン長官からお言葉を頂きたくお願い致します。」

「皆さん、こんにちは!
私は驚いています。
我が国の諜報機関は色々ありますが、FBI、CIA等有名ですが、実は一番優秀なのが、この私が次官をしております国家安全保障局、つまりNSAなのです。
このNSAを造り上げる迄に大変な時間と努力が必要でした。
ところが、日本に置いては、私が角田審議官に日本を犯しているC国やK国のスパイ達の動きを見て居て、とても危険だと感じて、お話ししたのが、確か2年前でした。
その僅か2年の間にこのような水火土機関を造り上げられたことに驚き敬意を申し上げたいと思っています。
今の世界中のC国のスパイ行動の現状は御配りした書類で確認頂けると思いますが、豊富なチャイナマネーを使いたいだけ使って、孔子学院だの留学生だのの名目で、一般人ではなく、ほとんどの留学生は実は中国共産党の人民解放軍の軍席のある者ばかりで、そのことを隠して、ビザを申請して入国して、優秀な人材を見つけては巧みに金やハニートラップ等を使ってC国内におびき込んで、技術やノウハウを集めているのです。

    中国の孔子学院

今、C国中共の秘密のスパイ組織が分かっているだけで、世界中で600ヵ所程、アメリカ国内で146ヵ所、ドイツに57ヵ所、オーストラリアでやはり57ヵ所、イギリスで49ヵ所、カナダに47ヵ所、日本に46ヵ所、フランスでは46ヶ所はあることが判明しているのです。
彼らはそれらを基点としてあらゆる技術、情報人材の収集をしていて、全て、C国共産党の軍需力に役立てていることが判明しています。
我々アメリカの大統領はこのことを見過ごすことは出来ないと、その殲滅を宣言されて我々NSAに強く指示されました。
日本国内にはC国の地方友好会や科学技術局との提携する日本国内の人材獲得センターは東京に18ヵ所、長野23ヵ所、京都3ヵ所、大阪2ヵ所、他にも、福岡、栃木、愛知にも拠点を作っていることが分かっています。
自由主義圏で開発された貴重な財産を好き勝手に盗む行為を赦すことは出来ません。
この水火土機関が中心になってその悪の組織を白日の元に炙り出して下さい。
こう申し上げると失礼に当たるかも知れませんが、あえて申し上げておきます。
今の日本国内の警察、検察、公安機関は信用が置けません。
国会議員内に多くの親C派がいて、検察や検察が動く前に情報が全て洩れている状態なのですから、確実な証拠を握って警察、検察に渡さない限り、鰻の様にヌルッとにげられてしまいます。
我がNSAが水火土機関にお願いすることは先ず、このスパイ組織の拠点を全て摘発して、その後もうひとつの大きな事件の解決を望みます。
宜しくお願いします。」

「ハンソン長官、良く分かりました。
それでもうひとつの事件とはなんでしょうか?」

と芯が訪ねた。

「そのことは、私がお訊きして、秘密裏に資料を国土建設庁に要求していますので、後日、資料と共にお願いすることになると思います。」

と辻部長が言った。

「ところで先程のスパイ組織の拠点潰しですが、何か良い案をお持ちでしょうか?」

とハンソン長官が質問した。

「一つ方法を考えてはおりますが、もう少し、検討してみる必要があります。」

と、チキが答えた。

「チキさん、あれを使うのですね!」

と、モモが嬉しそうに言った。

「そう、そのことを直ぐに戻ったら、検討してみてくださいね。」

「了解です。」

「この資料には、孔子学院は大学に15校、小学校から高校には孔子課堂として2校あると書かれたいますが、これは日本学術会議との関係もあるのでしょうか?」

「はい、文科省にも関係しています。」

                                                                          (つづく)

この小説はフイクションですから、念の為に、この小説に出て来る名称や諸々の機関は全て架空ですので、そのことを申し添えて起きます。