「そうだ、咲良、今、子供の魂がいたと言っていたね!神様に訊ねてくれないか?
定命とはどうして決まるのですか、と。」

「『生まれ出る前に神と魂との約束事で決まる。』と言われていますよ。」

「生まれる前に決まっているのですか?」

「『だから定命という。』と言われています。」

「定命は変わることは無いのですね?」

「『いや、ある。
本人の現世での行いが、家祖神団の会議で、この者をこれ以上生かしていては家系の曇りとなると判断された時は、家祖代表者が守護之宮の神様にこの者の残った定命を取り上げて下さい、と、お願いすれば、即、実行される。
つまり人間の世界で言う、検事が家祖で守護之宮が、裁判官と刑執行官なのだ。
定命は逆に延びることは無い。』だ、そうですよ。」

「うわー。家祖様は怖いんだな!」

「仏教で言う仏様とは何でしょう?」

咲良が取継ぎをした。

『仏とは仏教だけで言われている魂のことである。
仏教だけで無く、ゾロアスタ教、ヒンドウ教、ユダヤ教、キリスト教、回教等の宗教全ては世乃元之神が神界戦争で地に落ち、世に落ちた後に台頭したものである。
巧智に長けたシャーマンや霊能者が世乃元之神を取り込み、真如「真しやかな」の教えとしたものである。
その典型が、仏教の根本ミロク之大神を「西方浄土から光来し衆生済度する弥勒菩薩」、底津巌根之大姫神様を「東方瑠璃界から光来し衆生済度される薬師如来」と取り込んだことである。「神人交流時代」は、人霊界は殆ど「神化人霊界」だけで足りていた。
生宮(人間)に「魄」が与えられ、国替え(死ぬこと)後、生きていた時に霊体に穢れが溜まったもの、これの清浄化の必要から発生したのが、上級人霊界、中級人霊界、下級人霊界、番外人霊界とランク付けされる現在の人霊界なのである。
そこに派遣されたのが、伊吹戸主之大神、炎吹上之大神、夏涛丸之大神、瀬織津姫之大神、速秋津姫之大神等の五神である。(仏教で言う閻魔大王は伊吹戸主之大神のこと。)
その後、益々現界が混迷し、慾心が更に霊体を穢し、「思凝迷妄」が独り歩きして、「生霊化」する。
そしてこれは本体の国替え後、どうなるか?
かかる厄介な代物である穢れた魂達が自分達で発生させてたのが、「幽界」である。
今後、我々神々はこの幽界の清算という大事業(神業)をすることとなるのである。』

「あっ、今、私に言われました。

『咲良殿、そなた昨夜ヤチチ様と言われる老婆様と夢の中で会って、教えて貰ったことがあるであろう?』

と、はい、確かにヤチチ様と言われる老婆様と夢の中で会い、人霊さんと交わす挨拶を教えて頂きました。」

「どんな挨拶なんだ?」

「はい、人霊さんと会った時は、二礼三拍手一礼して、

『風よ、日よ、空よ、山よ、大地よ、海よ。
めぐりあわせてくれたことを感謝いたします。』

と言って挨拶をするんだそうですよ。」

「そうかい。
ヤチチ様とはどんな老婆だった?」

「『ヤチチ様とは人祖之大神様の妻神様が人間界に降りられて、後、人霊となられた御存在なのだぞ。』

と言われています。
白い貫頭衣に赤い紐を腰に巻かれておられました。」

「『赤い紐は当時の婢(女奴隷)が付けていた印である。』

だ、そうです。」

「人祖神界とは龍体神界の上の神界と考えて良いのですか?」

「『だいたい、そう考えて良い。
詳しくは龍体神界の直ぐ上が人祖界でそのまた上に人祖之神様の神界があると考えると良い。』

と、言われています。」

「人祖様は色んな処におられるのですか?」

「『人祖は沢山おられるが、主に表八神と裏八神が居られる。
この表と裏では過去に争いがあった。
表八神が裏八神の首を鉈でチョン斬るという事件があった。
その鉈は天に上げられて、今は北斗七星と呼ばれている。
あの七星は実は北斗八星なのである。
表八神の陣場は日本列島の北から太平洋側の羊蹄山人祖、葉山人祖、修善寺人祖、八事人祖、白鳥貴船人祖、熊野人祖、星ヶ城人祖、大行事人祖で、裏八神は知床人祖、津軽人祖、出羽守人祖、七尾人祖、丹波人祖、因幡人祖、開聞岳人祖、八重山人祖(女神)』となっているが、この他にもかむなから人祖、五色人人祖、書写山人祖、第二人祖等が存在している。』

だ、そうです。」

小豆島、星ヶ城、阿豆枳神社(星ヶ城人祖様御陣場)

「頭が混乱してきた。
今日の質問はこの位にしておきます。
有り難う御座いました。」

                                                                               (つづく)