(2) 人祖神界の悲劇

二礼三拍手一礼をしてから、五島が静かに話を始めた。

「 平成19年11月11日のことだったが、我々の仲間が我が家に集合してくれて、この日しか出来ない祭事が行われたんだ。
我々が ”彼等”とか  ”反対側”とか称している対称の存在が操る ”赤目牛”  と言う残酷な霊団がいる。
この霊団は4,000年毎に、海を渡って南米のある所から日本にやって来て、当時の日本原住民を襲っていたんだ。
今、判っていることは一度目が8,000年前、二度目が3,600年前、日本にやって来て、原住民達に、
『右脳を差し出して、青い血を受け入れろ』と迫り、さもないと皆殺しにすると二者択一を迫ったんだ。
時の長は、皆殺しを逃れる為にその要求を受け入れて、神との交信に必用な右脳を差し出した組と、それを拒否して全滅させられて、この世から抹殺させられた組とが出来たんだ。
それで今、生き残っている日本人のほとんどは、右脳を差し出し、青い血を受け入れた組の子孫ばかりだが、中にほんの少しだが、雫ちゃんみたいな赤い血の子孫もいるんだな!
真ちゃんや私等は青い血の子孫なんだ。
東北のアラハバキ族が全滅を怖れて、青い血を受け入れた代表みたいに今は言われているが、本当は第二次襲来時にこの九州の地で、弥生時代の奴国が襲われ、奴国の長は全滅を怖れて右脳を渡し、青い血を受け入れていたのだよ。
そして、そのことが、隣の地に住む『だいにじんそ』の神縁に当たる芥屋の民の全滅の引き金となる事件が起こしていたのだよ。
それで、我が家の家祖達は、その11月11日に『懺悔祭』をして、神とだいにじんそ様の神縁のミタマ達に謝る祭事をしたのだな。
私はだから、この件に直接係わる権限が無いと断ったんだよ。」

「雷山は何ですか?」

「アンドロメダ霊団の本拠地だから赤目牛がいっぱい居るんだよ。
奴等が今の村人、井原村は地元だから、井原村の善良な人間を使って、昔の『型』を再現しているのだと思う。
だから、だいにじんそ様の神縁の二戸家を皆殺しにしているのだと思うよ。
怖いことだが、このことはアンドロメダ霊団のタテカエを済まさなければ、まだ続くね。

  アンドロメダ星雲

後、三軒あるが、今はまだ大丈夫と思うよ。
何故なら、殺されたのは、宇佐市と出雲市だから、その他の地で、何処かの神社で四拍手している所に、もし、二戸家があれば、そこは危ないが、今の所、四拍手をしているのは、宇佐神宮と出雲大社だけだからね。
四拍手とは封呪なんだな。
昔は、原住民を殺して神社を造り、そこに神々として祭って、生き遷ら無い様に封呪の為に、四拍手をさせる様に教えたのだよ。
ー拍手が現界、二拍手が人霊界、三拍手は神界、四拍手は幽界に届く為に、幽界に留める封呪としたんだ。
そのことを知らない後世の人間は、一生懸命に呪いの型を踏襲しているのだから、無知とは怖いものだな!」

「それで先生は、三拍手をするように私達に教えておられるのですね。

「そうだよ、二拍手だと、人霊界にしか届かないからね!」

                                   
                    (つづく)