パナマのトクメン国際空港に千都の姿があった。

ザ・ゲン特殊部隊全員を率いて来ていたのでした。
石橋技官はシンガポールのゲン・システム室にいて、無線を狂わすある仕掛けを動かす仕事をしていました。
まず、夜間に無人飛行機を飛ばして、太陽光発電と水素発電機を破壊して、蓄電池と思われる物を破壊したのでした。
しかし、蓄電池の容量が大きいのか、非常発電機と共に電源はオフにはならず、無線は可動していた。
技術者達が大急ぎで破壊された発電機の修理に当たっていた。
同時に報復として社長島からミサイルが発射されてパナマ運河に向かって飛んできた。
幸なことにアメリカ海兵隊が、パトリオットミサイルをパナマ運河を護る様に配置していた為に全て迎撃して破壊を免れていました。
毎日、夜になると、無人飛行機が社長島の通信機器や無線装置を重点的に破壊行為をして、ゲン・システムは大量の混乱した無線を衛星を通じてピンポイントで社長島に送り込んだのでした。
頃合いを見込んで、ザ・ゲン特殊部隊が急襲を始めたのでした。
始めは無人飛行機と無人攻撃型ドローンが社長島の迎撃装置を作動させている人型ロボットとの間で交戦し合って互いに被害を受けたのでした。
安全を確認して約100人の兵士が水陸両用挺と攻撃型ヘリコプターで社長島に上陸する予定になっていたのでした。
しかし、3人の男女のFBIの潜入監視員達が社長島から脱出して来て、島が爆発するという情報をもたらしたのでした。
上陸は中止命令が出されて間もなく、大爆発が起こり、島に構築されていた要塞の設備は全て破壊されていたのでした。
そして、ゲン・システムは爆発前に島から秘かに出発した潜水艦を追っていた。

    潜水艦

その情報を受けて、アメリカ太平洋艦隊は直ぐに駆逐艦と対戦哨戒機を出航させて追跡をしたのでした。
しかし、行方を掴めず、ゲン・システムに照会してきた。
その時は既に中国海軍の包囲する海域に潜水艦は入っていたのでした。
そして、そこで、潜水艦の反応が消滅したことを石橋技官は見届けていたのでした。
社長島に上陸したザ・ゲン特殊部隊とアメリカ太平洋艦隊の上陸隊は70名程を捕虜として逮捕しました。
社長島内の設備は全て詳細に調べられてICPOに報告されました。

半月後、国連総会では、ICPOの総局次長であるベン・葵が今回の事件の報告と総括を兼ねて、演説をした。

「皆さん、今日は!   初めてお会いする方もおられますが、私はインターポール、ICPOの総局次長をしていますベン・葵ともうします。
今回、世界中をお騒がせしました衛星爆破事件が、曲がりながらも解決致しました。
主犯人の中国々籍の大型通販会社経営者が、中国一党政治に反逆の烽を上げて、小数民族の独立を支援して、中国共産党の独走を阻止しようとした事件でした。
 その社長、袁一鳴が中国を離れて、アメリカに帰化申請をしてパナマの島を購入して要塞化して籠り、衛星を攻撃して脅迫して中国の今の政権転覆を狙った事件でした。
中国政府からはまだ報告を得て居ませんが、我々ICPOの外部団体IGCIの特殊部隊やアメリカ太平洋艦隊の攻撃を受けて、島を潜水艦で脱出して太平洋に逃げて、中国海軍の戦艦群の中で消息を絶っています。
我々の憶測では、中国海軍の攻撃を受けて沈んだと思っています。
以上、御報告を申し上げます。」

その後、中国番のツイッターの新浪微博(ウエィボ)である囁きが炎上していた。

「中国海軍は袁社長を逮捕して監禁中。
外国に流れた袁社長の資産を回収するために共産的教育を強要中!」

というものであった。
しかし、何の根拠も証拠もなかった。

千都はシンガポールに戻って、石橋技官に訊ねた。

「中国のウエィボでは袁社長が生きていると騒いでいるが、どう思う?」

「はい、ゲン・システムの察知した範囲では袁社長の潜水艦の周りには中国海軍の戦艦が取り囲んでいました。
だから、潜水艦から脱出したとしても他には逃げようが有りませんでしたから、中国海軍に逮捕された可能性はあります。
でも潜水艦から脱出したという証拠はゲン・システムでは確認出来ていませんから、何とも言えません。
潜水艦は確かに魚雷か哨戒機からの爆撃で大破して沈没したのは事実です。」

「そうか、もし中国海軍が身柄を確保していたとしても、公表はしないだろうな?
これからは全て闇の中だろうな!」

                                                                                     (完)

明日からはフアンタジー小説「接界構築人」を掲載します。
楽しみ下さい。