「咲良、何をしているんだ?」

と幸一が咲良の様子を見て近付いて来た。

「はい、沖ノ島の女神様とお話をしていました。」

「沖ノ島の女神様?
えーっと、ここの沖ノ島の宮は沖津宮だから、田心姫神(たごりひめ)様かい?」

「いえ、それが、名前が違うと言われています。
地球管理神龍体神の日乃系統三女神の三女の山武姫之大神様だそうですよ。」 

「では田心姫神様は居られ無いのかな?」

「そんな名前の神は居ないと言われいます。」

「だどすると、あの宗像大社の神話は嘘なのかな?」

「『ある男性霊能者が、我々三女神に気が付き、未熟な霊能で勝手な神話を作り上げて、宗像大社を売り出し、金儲けに利用したのだ。
そして、この沖ノ島に渡り、祭祀の後に黄金が供えられていることに気付き、宗像大社の沖津宮を造り、島全体の財宝を保護する為に女人禁制とか、入島前に男性に御祓をさせる等という厳しい規則を作り、草木一つでも島から持ち出すことならぬ。
と独り占めを企み、国の国宝を隠したものである。』

    沖ノ島沖津宮

   沖ノ島祭祀跡

と言われています。」

「女人禁制については、女神様の御陣場だから、女人が入ることを嫉妬される等と言われいますが?」

「『そのことは一部は神実なことがある。
私、山武は既に大御神の赦しを頂いているから、もう良かろう、話そう。
地球管理神界の神界戦争は私が起こしたと言われれば、ある意味そうであった。
まだ地球神界が創造時代に地球神界に根元命令で天神界から派遣されて来た龍体神の男女の比率が大いに関係している。
男神40、女神30柱の神婚不能に対する男神の不満による神規違反を起こした「アトスの思い」を黙って見ておれず、我も横恋慕して、神界一の美女神といわれた金龍姫之大神の許嫁で、これまた神界一美男神の天照彦之大神殿を力で奪って神規違反を起こし、その上、地球管理神の代表である地乃世界之大神様に反旗を翻して、全ての龍体神を二つに割る争いを起こし、神界戦争の一方の大将にまでなった罪を犯して一時天上界に引き上げられたこの身であったが、その罪を大御神に大悲を頂き、再び地球神界に復帰出来て、地球管理神界の一員として親神様の為に働こうと思っているところである。
それなのに、まだ現界ではそのことを分かってくれて手助けしてくれる人間が一人も居ないことに寂しさを感じておりました。
そなたは分かってくれるであろうか?』

と言われています。」

「我が家には第三空間の宮が顕祭されております。
根元様の『和合宣言』で、今は敵味方無く、地球神界に蔓延している思凝等の弊害を全て吸収して空間の宮を経由して月の裏側に送っているところです。
山武姫之大神様のお気持ちはよく理解出来ます。
どうかご安心下さい。」

『すまぬが、長女神の天照比売様と次女神の玉依姫様にわらわの気持ちを伝えてはくれぬか?
後悔している、大変御迷惑をお掛けしました、と。
これからは連絡を頂きたい。
我ら日乃系統三女神として日之大神様の御役を遂行したいと、伝えてはくれぬか?
頼み参らせます。』

「よく分かりました。
我々の出きる範囲の努力をしてみましょう。」

また潮が動き出して、烏賊の大きいのが釣れ始めました。

  剣先烏賊

そして、山武姫様からの贈り物だろうと思われる8kg、95cmの大鯛が、良二の仕掛けに掛かって、嬉しい土産がまた増えたのでした。

                                                                                 (つづく)