10月2日になった。

4人は、福岡空港を8時丁度発のJAC3551便に登場して出雲空港に向かった。
1時間10分のフライトで出雲空港に到着した。
近くのレンタカー屋でトヨタアルフアードを借りて境港に13時30分迄に着けば良いので、取り敢えず、有名な出雲大社を詣でることにして、車を走らせる。
不思議に純一は肩の痛みが無いとのことで運転した。
大社前の駐車場に車を止めて、徒歩で参道を歩いて行くと、咲良がいきなり叫んだ。

「うわー、凄い!
出雲大社ってこんなに大きくて高かったの?」

「おい、おい、何を言っているんだ!」

「だって、長い階段が雲の上まで繋がっているみたいなんだもの!」

「そうか、咲良には昔の初めごろのお社が観えるんだな。」


   初期の出雲大社

「『皆にも見せてやりたいなあ!
これが卑弥呼が祈りを捧げていた社じゃ。』

と上から聴こえました。」

拝殿で二礼三拍手一礼して、挨拶して引き返していたら、参道の左側、正面の鳥居前からみて右側の奥の広場から咲良に声がかかり、皆で行くと、神様の取り継ぎが出てきた。

   出雲大社入口

『よくきた。
ここは皆が神無月と言う時は、実は神有月である。
あの神界戦争の後、我々は何時ものようにここに集まり会議をしていた。
うかつだった。
まさか、眷族であるキツネどもが我々に背いて、独り歩きしてこの世を自由にしようとするとは気付かなかった。
我々がいないことを良いことに、全国の稲荷社で生宮(人間)に悪さを始めていた。
もう、昔のことではある。
早く道城義則殿に、不動明王に化身させられた苦しみから立ち直って頂いて、神界議長としての本来の働きを成して頂かねばならない。
もう、良いから、行かれよ。
隠岐の穢れなき道城義則殿を迎えに行くのであろう。』

「ひとつ、お教え下さい。
先程、咲良にお観せ頂いた古い社のことですが、卑弥呼がここで祈りを捧げたと言われましたが、そうするとここが邪馬台国だったということでしょうか?」

『いずれ解るであろう。』

「畏れ入りますが、何方様でございましょうか?
御神名をお証し下さい。」

『この社の留守番とでも言っておこうか。』

「御言葉有難う御座いました。
それでは先を急ぎますので、これにて失礼いたします。」

4人は境港を目指して車を走らせた。
境港で14時25分発のフエリー「しらしま」に乗船して隠岐の島、西島の別府に17時05分に到着して、隠岐郡隠岐の島町、港町の隠岐プラザホテルにチェックインした。

  フエリー「しらしま」

   隠岐プラザホテル

                                                                                     (つづく)