五島は驚いた。

故宮の九龍壁に神座されている九龍は中国各地から時の皇帝によって集められていたのだった。
しかも全て三本指の龍体を五本指に描き変えていたのでした。
龍体神は地球管理神のお姿なので三全根元界に存在される為に三本指で無いと存在出来ないのです。
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   三本指の龍

それを、皇帝の意向で五本指に描き変えたということは三全世界に住めないだけでなく、彼等のずっと遠い先祖で大親である五全根元界を愚弄する行いなのです。
それでそれぞれに罰として色を付けられていたのです。
元々龍体神には色は有りません。
しいて表現すれば、霊能者が観て感じるのは薄い微かなブルーか薄茶だと言われています。
その龍体神が根元神規に触れる行いをした場合に、罰として龍体に色を付けられるのだそうです。
色が濃い程、罪が重いと言われています。
もっと重い罪を犯すと、両手両足を失い、蛇とか目をとられミミズ等に落とされると言われています。
金とか銀とかいう色の龍は根元直流神様が罰を受けておられる御姿だそうです。
根元様直属の神様が神規違反で罰を受けて龍体神界に落とされた状態だそうです。

このことを知っている五島はそれぞれの故宮の九龍壁の龍神様達が自分の故郷に戻りたいという想いの発露を求められて五島達を九龍島のマフィアが起こした事件を利用して故宮に呼んで、こんな遠い場所まで旅行させたのだと言うことを理解したのでした。
神様は元々体を持たないのです。
もっと言うと、魂と物の比率が魂>物で形成されておられて、体、つまり物が少ない為に物を御自分だけで動かすことが出来ないのです。
その為に神様の行う行為を手助けすることを一番の目的として人間を創られたと言われているのです。
人間の魂物比率は魂20物80と言われています。
しかし、人間が創られた始めのほんの僅かな時間だけは、人間と神との意思疏通が上手く行っていたのですが、人間は何も自分自身で努力をしないでエデンの園で甘えていた為に大神は人間が自分で考えて努力する様に慾の元である魄を与えて、神と人間を繋いでいた天の糸を切ってしまわれたのだそうです。
その結果、神様自身も魂<物の人間の力を使うことが出来なくなっているのです。
しかし、人間の中には神様と波長の合う霊能者を使って動かれる神様がおられるのです。
それが、今回のこの中国旅行として実現したと五島は理解しているでした。
人間が神様、つまり、龍の姿を観ることが出来ないのは、この魂物比率のことが関わっているのです。
大神は人間を創られた時に人間の「生存限定」の中に「視界限定」を加えられたのでした。
魂物比率が少しでも魂<物で無いと人間の目に見えないとされたのでした。
だから人間から神様も龍体も見えないのです。
でも先にも書いた通り、霊能者の一部の人にはこの視界限定が外されている様です。
つまり、神様も幽霊も観えるのです。
ただ、神様が観えると言っても、色々な神様がおられて、観えているのは殆どが本当の世乃元之真之神では無くて、その眷族神が人間が理解出来る様に姿を変えて観せているのだそうです。
だから、五島達を中国旅行に誘い出して、故宮にこらせて、波長の合うメンバーに取り憑き、自分の親神様の意思を故郷に伝えていたのでした。
五島は思っていた。
これで黄龍と青龍(緑龍)が済んだが、残るは朱龍、紫龍、藍龍が残っていると。

青海湖の観光を終えて再度日月山を通過する時にミディに通信が入った。

『藍龍はここが故郷でした。
岩田耕作殿に御礼を申し上げますとお伝え下さい。』

「そうだったのか!」

                                                                                 ( つづく)