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 (二) 一大率長官    

 『これからは、のう、五島殿、私の言葉から聴き取りするのではなく、あなた自身、時に応じて、その当時に時を遡つて、実際の現場に出て見てもらおうと思いますが、どうですか?』

「エーツ! そんな事が出来るのですか?」

『神の私に出来ないことはありません。
万能とまでは言いませんが、そのぐらいの事は可能です。
私は時期が来れば.....この話しを、あなたに話し終えた時が、実はその時なのですが、人霊の姿を終えて、私の愛しい、赤座布団に座つておられる夫神のもとに帰ことになっているのです。
その神界は天地大元界、つまり万物の出来はじめのビツクバン(※65)が起こつた時に無数の個が発生る、その個の素(もと)の一つとなる霊成型を創つた神界なのです。

   ビッグバン

いつもあなた達神人が神業現場の接界(※66)で会つている神々は、龍体神界の神々と天地大元界の人祖の神々が多いはずですね。
恐れ多くも唯一無二(ゆいつむに)の大神様、絶対根元之大神様(ぜつたいこんげんのおおかみさま)が、気の遠くなるような、長い長い間、
 
「唯一絶対」「無始無終」「全智全能」「完全無欠」

であらせられたのを自分で破られて、「個の発生」を願われて、ちょつと動かれたことから、一番目と二番目、つまり初動、次動の動きと同時に歪(ゆがみ)が出来て、この絶対蔭根元界(ぜつたいかげこんげんかい)から、相対根元界、つまり、三動、四動、五動に移行してビツクバンが起こり、個の発生が顕現(けんげん)したのです。
これが、この世の創生でした。
ちょつと難しかつたですか?
なかなかに、神々の世は、四次元、五次元の世界ですから説明しにくいのですが、個の発生と同時に
二つの相反する物を生み出すこととなりました。
「陰陽」「凸凹」とか、「善悪」等も全てそうです。
このことは後になって、ある時、あなた方の神業の途上で、生宮に対して、根元様が

「詫(わ)びて詫びて、詫びんjに徹(てつ)する」

と言われたでしょう。
一度発生したものは、一方向に、それぞれの個の持っ性質のままに無数に別れていつてしまつたのです。
 根元様の究極の願いは

「珠玉(しゅぎょく)なる愛球(あいきゅう)チダマ」

つまり、地球に根元様の

「虚(きょ)、実(じつ)」

の働きを包含(ほうがん)した生宮が、

「歓喜(かんき)、弥栄(いやさか)、清浄(せいじょう)」

と、その対局にある、

「悲哀(ひあい)、衰弱(すいじゃく)、不浄(ふじょう)」

とを偕伴(かいばん)して神々と生宮が「魂、物」として同化することなのです。
また難解だつたですネ?  つまり、生宮とは、

『「神が宿る肉体」

ということです。
根元様から発生した神界で、相反する二つの派閥が、お互いに争いを起こし、その争いが、そのままに、その次の神界へと反映されて、降りて行き、人間の世界にまで降りて来て、神の写し世みたいに、この世に悪いことや争いが起こるのです。』

                        (つづく) 

 《用語解説》

※65)ビツクバン‥‥‥宇宙のはじめに起つたと言われる大爆発、大爆発による高温高密度の状態から膨張し て今日の宇宙が出来たとされる[広辞苑より]
※66)接界(せつかい)‥‥神様と人間が祭事などで接する所[かむなから神業報告書より]