【Youtube】オランガタン

作詞:伊藤アキラ
作曲:惣領泰則
編曲:河野敦朗
うた:惣領泰則とジムロックス
映像:木村泰子(絵)、毛利厚(アニメ)
初回:1980年2月・3月



【歌詞】
深い河の右の岸で
深い河の左の岸で
河の向こう 少し気にして
河の向こう とても気にして

オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン

ここでは 青い色の幸せが
ここでは 赤い色の幸せ
何より 美しいと言われてる
誰もが 他の色を認めない

河はある日 水を増して
街をひとつにした

ああ 混じりむらさき色
ああ 不思議な色の世界さ

オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン…



【解説】
1980年2月に『みんなのうた』で放送された楽曲。
「オランガタン」とは、オランウータンのこと。



コーラスには、『宇宙刑事ギャバン』や『キン肉マン Go Fight!』など
多くのアニメ・特撮ソングを歌った串田アキラも参加している。
ちなみに串田アキラは、『みんなのうた』では『ローラー天国』を歌っている。



この曲が作られた背景には、アメリカとソビエト連邦による西が挙げられる。



資本主義(青)社会主義(赤)の対立を暗喩している。

冷戦はスポーツにまで影響を及ぼした。
この曲が放映された1980年には、モスクワオリンピック〈ソ連〉が開催されたのだが、アメリカを始めとする西側諸国が挙(こぞ)ってボイコット。日本もそれに追随した。
逆に4年後の1984年に開催されたロサンゼルスオリンピック〈アメリカ〉では、今度はソ連を始めとする東側諸国がボイコットをしたのだった。



そんな中で生まれたこの歌は、冷戦が終わって平和になって欲しいとの願いが込められている。

【この歌には続きがあった!?】
放送では青い世界赤い世界が混じり合い幸せになったとされているが、実はこの歌には、時間の都合で放送されなかった続きの部分がある。
それが以下の歌詞だ。

私に青い色の幸せを
返して 赤い色の幸せ
心を青く染めるよろこびを
心を赤く燃やす灯火を

河はあふれ 水をひいた
街をふたつにした

ああ 空には青い幸せが
ああ 花には赤い幸せが戻った

オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン
オランガタン オランガタン…




この歌詞を見て分かっただろう。
混ざりあった平和は結局長くは続かず、また元の2つの世界に戻ったのである。
一つの解決は、また別の問題を生んでしまうのである。




決して相容れない2つの要素は、時には混ざり、時には衝突しながら世界を作っていくのである。