火星から送られてくる写真 | naganomathblog

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先日、NASAが火星の巨大クレーターの超高解像度パノラマ写真を公開しました。
(タイトルをクリックすると画像元のより大きな画像が見られます)

これは、現在火星で活動しているNASAの太陽電池式の探査機「オポチュニティ」が撮影して地球に送信してきたものです。写真下部に見えるのは、オポチュニティの太陽電池のパネルなど。また画像は地面等の物質の違いがわかりやすいように着色されています。

【オポチュニティ】

オポチュニティは2003年にアメリカ航空宇宙局 (NASA) が打ち上げた、火星探査車(マーズ・ローバー)ミッションを担う2機のうちの1機です。もう1機の名は「スピリット」
探査車は当初90日間の保証期間を超えて作動することは予想されていませんでしたが、NASAが想定した耐用期間をはるかに過ぎた現在も性能を維持したまま活動を続け、火星の地質学的な分析を行っています。火星は寒冷で乾燥していて、アルミ製の探査機はさびることがないため、今では半永久的に活動しつづけるのではないかと言われています。

このミッションの最大の功績は、火星の表面に水が存在しなければ作られない岩石があることが分かったことでした。これによって火星には過去に大量の水が存在していたことが確実視されるようになりました。

【探査機を悩ませる火星の砂嵐】
とはいえ、探査機は常に順調だったわけではありません。
火星は「夏」に星全体を覆ってしまうような大規模な砂嵐が起きます。この「砂」が探査機の敵なのです。

オポチュニティは2005年の4月から6月にかけて走行困難な砂丘に突入し、いくつかの車輪が砂に埋まってしまいました。この時は6週間以上に渡って地球上で実験を繰り返し、機能を失わずに脱出するための策が検討され、数センチレベルの緻密な作戦によって、何とか脱出することができました。
また2009年5月にはスピリットがやはりやわらかい砂地に車輪がとられ身動きがとれなくなりました。こちらは残念ながら2010年1月にNASAは砂地からの脱出を断念。以後は静止観測を行なっています。

【火星の青い夕焼け】

私は2005年にスピリットが捉えたこの火星の青い夕焼けの写真が好きです。
火星の大気の主成分は二酸化炭素で、気圧は地球の1/150。赤道付近の平均気温は-40℃…
そんな荒涼とした世界に沈む青い太陽のことを思うと、なんとも言えない寂寥感を感じます。
ちなみに夕空が地球のように赤く見えないのは、火星大気には粒の粗いちりがたくさん含まれ、赤い光が届くのをじゃまするためです。

【火星の美しい写真】

その他、オポチュニティやスピリットから送られてきた火星の美しい写真をご紹介します。
タイトルをクリックすると画像元(NASA)のより大きな写真が見られます。