合同式 | naganomathblog

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今日は合同式について(^_-)-☆
そもそも合同式とは19世紀の初めにあの大天才ガウスが、「整数nを決めたとき、あらゆる整数は、nで割った時の余りによってn通りに分類できる」ことに注目して考えだしたものです。

合同式は、厳密には高校数学の範囲外のため(予備校などでは教えるところもあります)、馴染みがない人もいると思いますが、整数に関する問題を解く際のテクニックというだけでなく、数の周期性を実感する上でも大変有意義だと思いますので、今日は詳しく解説したいと思います。

今、0
11の整数を3で割った時の余りの周期性に着目して次のような表にしてみます。


ここで、上の例で3で割った時の余りが同じになる数(縦のグループ)を

「3を法として合同である」
と言い、例えば


のように表します。これを合同式と言います。

ではこれを一般化してみましょう。

この合同式を使うと、たとえば26と101は5で割った時の余りが同じなので


のように表すことができます。合同式は余りが同じ数どうしを示すだけではなく、次のような性質があります。それは


などです。早速証明してみましょう(ちなみに今後出てくる文字は全て整数ということにします)。まずは準備です。
算数では、割り算の計算は
15÷7=2…1 (15÷7は商が2で余りが1)
のような書き方をしますが、数学では同じことを
15=7×2+1
という風に表します。一般化すると


ということです。これを使って①~④の証明に入ります。

では合同式に慣れるために、問題を解いてみましょう。

…というわけです。
合同式は整数の問題を解くときに大変強力な力を発揮し、合同式を使うと解決してしまう難関大学の問題も少なくありません。受験生の皆さんは習得しておいて損はないです(^_-)-☆



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