11月27日、第7回となる防災カフェ・・・。今回は災害の時、子どもたちが安心・安全に過ごせる居場所づくりやこころのサポート活動をしている小野道子さんを招いて開催しました。

 

 

 

 小野さんはながのみらい立上げ直後にメンバーとして加わってくれていましたが、国内や海外での支援活動でお忙しく、顔を合わせる機会も少なくメンバー内でも「小野さんって元ユニセフ職員で子ども支援をしているんだよね?」なんて言葉が出ていました。(小野さんご免なさいm(__)m)

 

 今回、改めて小野さんの経歴や支援活動の内容を聞いて驚いたのですが、小野さんの口から出る支援団体やNGO団体の名前は、東日本大震災の時でも名の通った団体も多く「そんな凄い活動していた人だなんて知らなかった~」と参加したメンバーも活動を聞く度に感心したり、驚いたり…そんな連続でした。

 

 さてそんな小野さんをスピーカーとして始まった防災カフェですが、まずは東日本大震災における子どもの被害状況として、震災遺児や震災孤児、そして不登校の子どもの数や児童虐待件数などの状況を厚労省などの資料を使い、説明してくれました。

 また東日本大震災時に小野さんらが所属していた日本ユニセフ協会が東日本大震災支援において「Build Back Better(被災前よりも、より良い状態になること。子どもたちが安心して戻れる、子どもたちにとってやさしい「地域」の復興」を基本方針として活動してきたこと、震災から半年、半年以降、4~5年目以降に行ってきた現地のニーズなどに応じて変化させてきた支援活動を豊富な資料を見せながら説明してくれました。

 

 そんな支援活動の中で印象に残ったのが「父子家庭への支援活動」についてです。震災時ではどうしても母子家庭を頭に浮かびがちになりますが、「多様な人を対象にした支援」という視点で見れば「父子の支援も必要だし当たり前だよね」とメンバー一同納得しました。

 

 また東日本大震災5年目以降は「ハサミ状格差」、「子どもの居場所の少なさ(特に中高生)」などの課題が出てきたこと、そして、それら状況を少しでも打破するために小野さんらが現在活動している「子どもにやさしい空間」研修は既に1,500名以上が研修を受けたそうです。
子どもにやさしい空間(日本ユニセフ協会)
子どもにやさしい空間 ガイドブックと研修のご紹介リーフレット
災害時こどものこころと居場所サポート

 

 これら子どもにやさしい空間については、最近災害支援関係で取り上げられる機会が増えた「スフィアプロジェクト」や「人道行動における子どもの保護の最低基準」「人道支援の必須基準(CHS)」などの国際的ガイドラインに明記されているとのことでした。

 「スフィア基準」という言葉は聞いてはいましたが、その他の国際基準などの名前は初めて聞くワードで「まるで学校の講義だね~」なんて言葉も漏れました。 

 

「人道支援の必須基準(CHS)」に書かれている「一人一人の被災者を大切にした支援」や「必要性(ニーズ)に合致した支援」などは、支援活動をする際に忘れてはいけないものだと改めて思いました。

 

 頭を思い切り使った後の小野さんへの質問では、海外に行ったきっかけや訪問した国々の印象など、それまでの雰囲気を変えながら、みんなでざっくばらんに笑いを交えながら、時に考えながらあっという間に2時間が過ぎていきました。

 

 忙しいなか、時間をさいて参加、話をしてくれた小野さんには支援について新しい視点をもらいました。ほんとうにありがとうございました。また子ども支援などについても、これをきっかけに新しい繋がりが出来ていければと思います。

 

(文責 ながのみらい 鈴木)