ロングパットで大切なことは距離感であることは言うまでもありません。
パットの距離感とは、分かり易く言えば、自分の思った距離だけ転がすことです。
距離感の出し方は人それぞれだと思いますが、私は勘に頼らず、テークバックの振幅でコントロールするのが、最も合理的で再現性が高い方法だと思います。
ところが、私の先輩のシングルさんは、1mのショートパットも30yのロングパットも振幅は大体同じ、15~20cmです。
振り幅は小さめで、ボールをヒットする強さを変えているのです。
ショートパットでは普通に打たれますが、ロングパットではパチンと強く打ちます。
パター速度を上げることで、ボール初速を上げる訳です。
ボール初速が2倍になれば、4倍転がる。
その先輩はパターの名手で(2ball putter)、入れごろ外しごろの微妙な距離のパーパットでも決して外しません。
特に下りのパットが上手い。
大きくテークバックしない理由を尋ねてみたところ、「テークバックが大きくなるとフェイスの向きが変わって、スクエアに当てにくい。自分は真っ直ぐに引けるところまでしかテークバックしない」と。
真っ直ぐ引けるところまでしかテークバックしないので、真っ直ぐにしか進まない。
距離は強さで調節する。
なるほど。
テークバックが短い人のアドバンテージは、方向性が良いだけでなく、ショートパット(特に下り)のタッチが出やすいということです。
当たりの強さでボール初速を調節することに慣れているので、普段より弱く打てばすむ。
私のように距離感をテークバックの振幅で出すタイプは、強く打ったり弱く打ったりすることに慣れていません。
特に、弱く打つことは難しい。
距離感とは思った距離だけ転がすことですが、タッチとは、最後のひと転がりでちょうど入るようなボール初速を出すことではないでしょうか。
トロトロと転がっていく姿をイメージして、その時のボール初速をパターから伝えられるかどうかです。
ちなみにボール初速は、パター重量を500gとした場合、インパクト時のパタースピードの約1.8倍になります(過去ブログ参照)。
テークバック幅を意識するか、ボールスピードを意識するか。
ロングパットや上りのパットはテークバック幅を意識して「あそこまで転がす」ことを意識する。
ショートパットや下りのパットは、ボール初速を意識して「あそこで止める」ことを意識すると良いと思います。
話は変わりますが、イップスっぽい人を見ていると、テークバックが出来ないというより、どのようにテークバックして良いのか分からなくて固まっているように思えます。
「真っ直ぐ引くのか、インに入るのか」「フェイスは開くのか、閉じるのか」、そんなことを考えているうちに訳が分からなくなり、突然体がピクッと動きます。
そういう人には、「真っ直ぐ引けるところまでしか引かない」ことを勧めます。
悩むところまで引かないということです。
今まで色んなプレーヤーを見てきましたが、テークバックが大き目で、インパクトで急激に減速するような人は、イップスになる危険性が高いように思います。
その打ち方ではショートパットが打てないからです。
小さい振幅でパチっと強く打つような人は、決してイップスにはなりません。
その先輩も、「ショートパットが怖いと思ったことはない」そうです。
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さて、ブログを始めた時点でパット用に準備していた内容は、これで全て書き終わりました。
ショットもあと2~3回で終了予定です。