寂しい季節だった。でも空気は澄んでいた。

 親元を離れて初めての完全自由なる一人暮らし。なんて素晴らしい! 僕はそこからオナニ──もとい、音楽、それも洋楽に本格的にのめり込んでいくことになる。

 当時主に聴いていたのは、中高時代に好きだったフリッパーズ・ギターの元ネタらしきギター・ポップ(アズテック・カメラとかモノクローム・セットとかパステルズとかね)や、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」のようなギミック満載の組曲的ロック(10ccとかね)あたり。

 嗜好としては、基本はポップ。あくまで美麗なメロディーありきで、ノイジーなだけのもの(デス声とか)は今でもノーサンキュー。転調とか急展開大好き。ハーモニーがあればなお良し。そんな感じ。

 当時イギリスでは「ブリット・ポップ」なるムーブメントが興っており、"ROCK代表"のオアシスと"POP代表"のブラーが鎬を削っていた。ように見えた。でも両者のファン層が被ることはなくて、今思えばただの煽られた「構図」だった。そんな中僕が追いかけていたのは高校時代から好きな"インテリの野良犬"ことマニック・ストリート・プリーチャーズでした。マニックス今もマジで愛してる。

 そんなやさぐれた僕であったから、「若さ満喫! Let'sセックス、セックス!」なテニスサークルなぞには目もくれず、童貞&処女率90%超とおぼしき文学サークルに「ええい、ままよ!」と所属し、小説を書いたり酒を飲んだりクダをまいたり、センズリをこいたりした。何度もだ。

 そして2年次のサークル合宿で、泥酔した新1年生の女の子に絡まれ(当時童貞)、トイレの個室内で1時間ぐらいずっとキスをしていた(当時童貞)。1時間以上経っても戻ってこない僕らを心配した他の部員らがドア越しに声を掛けてき(当時童貞)、後で誤魔化すのに大変だったな(当時童貞)。だいたい我慢汁がまず半端なかった(当時童貞)。てか、あれはきっとあの夜引率含む皆にバレており(当時童貞)、大いに噂になっていたことと思う(当時童貞)。

 

▲引っ越し直後、段ボールをまだ開けきらない白紙のような部屋で聴いていた思い出の一曲。

 

 

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