かねてから、何か困ったり迷ったりした時にちょいちょいLINEでやりとりをして相談する一人の男がいる。
「──あぁもう、また貴方ですか。私ゃそんなに暇じゃないんですがね」
名はキヨシ、としておこう。かつての僕の同僚なのだが、同年齢でありつつ社歴では後輩──つまり完全に下手の存在でありながら、そのくせ僕にはいっちょまえな口を利く、実に鼻持ちならない男である。その後お互い職を分かった後も、どういうわけかダラダラと交流が続いている。
「──ふーん。で、結局貴方はそのなんたらブログとやらをいったいいつ始めるんですか」
何だよ。だから、もう決めたんだって。次の土曜に決行しますから。告白するんだよ! 例のあの娘に!
「本当ですか? でもだいたいいつもさんざんやるやる言いながら、やらないのがスミダさんという人間ですからね。まぁ、話半分に聞いておきますよ」
──こやつ、俺という人間をよく知っておる。でもええわ。明日はちょうどはらださんの出勤日。俺も休み。「告白するにはもってこいの日」ですからね。アーッアッアッア!
「……はぁ。本当におめでたい人だ」
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