飯田市上久堅にじたじた峠と呼ばれる

峠があります。

 

伊那谷を見下ろす知久氏の城を武田信玄の家臣

山本勘助が狙いを定め

玉川に流れ込む水源をすべて塞いでしまった。

 

しかし、

蔵から米を運び出し、

その米を手桶に入れ

馬の背に掛けてはたわしでこする。

 

武田側から見ると

水で米を洗っているように見える。

 

「何と、あの城にはまだ馬に洗うほどの水があったのか!

それでは谷川の水をおさえたのは無駄足じゃったわ」

と勘助は峠の上でじたんだ踏んでくやしがった。

そこでこの峠を、

勘助がくやしがって足を編み鳴らすさまから

「じたじた峠」と呼んでいる。