大阪の弁護士•長野智子(智聖法律事務所) -234ページ目

職場のパワハラ対策~生産性向上、企業風土育成、人的資本爆上げ研修(その2)

X理論とY理論


 お話は変わりますが、皆様は、X理論とY理論という議論をご存じでしょうか。

 

X理論とY理論は、アメリカの心理学者ダグラス・マグレガーが提唱した、人間の働く動機に関する2つの対立的な理論です。

 

 

X理論は、×(バツ)の理論ともいわれます。

 

バツの理論は以下のように人間をとらえます。

 

人間は本来仕事が嫌いで避ける傾向がある。

 

こういう怠け者たちを、外部からの指示や監督することで初めて生産性はあがる。(性悪説的)

 

 

対するY理論は、YesのYの理論です。

 

Y理論は、以下のように人間をとらえます。

 

人間は仕事を楽しむことができる。

 

人間は、自発的に努力することができる。

 

この理論は、人間は適切な環境を与えられれば、自発的に仕事に取り組み、責任感を持って行動することができると考えます(性善説的)。

 

X理論とY理論は、経営者や管理職が従業員をどのように扱うべきかという指針となります。

 

X理論に基づいた管理手法は、従業員を監視し、罰則を課すことで仕事をさせるというものです。

 

一方、Y理論に基づいた管理手法は、従業員に裁量権を与え、責任感を持たせることで仕事をさせるというものです。

では、上記のどちらの理論が正しいのでしょうか?

 

その3で見ていきましょう。

 

職場のパワハラ対策~生産性向上、企業風土育成、人的資本爆上げ研修(その1)

失敗の本質について

 本年2月1日の日経新聞朝刊に元一橋大学名誉教授の故野中郁次郎氏の著書「失敗の本質」が紹介されました。

 

記事の中で、日経新聞の本社コメンテーターは、日本企業の失われた30年の元凶は何かと野中氏に質問しました。

 

野中氏の答えは、

「一般には、バブル崩壊後の日本の低迷は 雇用、設備、債務の過剰と言われているが、違う。プランニング、アナリシス、コンプライアンスの過剰こそが真因である、」

  

続けて、野中氏は、「経営とは、人の営為にほかならず、創造性の源泉である野生を解放、錬磨する人間くさい作業だ、コンプライアンスの過剰は、それ自体が目的化し経営の活力を損なう」と警告されます。

 

コンプライアンスの過剰は、NGということは肌感覚でも理解できますね。

 

では、コンプライアンス研修は、どうすればいいか。

 

この記事から私が学んだことは、これだめ、あれだめというだけの研修では萎縮させるだけで活力もなくなり有害ですらあるということです。

 

したがって、今日は、一般のパワハラをはじめとするコンプライアンス研修のベカラズ集には極力ふれず、より前向きで皆様の情熱を阻害しないような研修になるよう心掛けて行きたい、と思っております。


 その2から本論に入らせていただきますね。

 

 

ポジティブじゃなきゃ、ダメですか?(その2)

その1では、我が家の長男による、陰キャ、陽キャの考察を共有しました。

 

古典とも金字塔ともいわれる名著、「思考は現実化する」のナポレオン・ヒル氏、

 

「道は開ける」デール・カーネギー氏、「7つの習慣」スティーブンR・コヴィー氏、

 

その他の著名な成功哲学界隈のご著書群は、ネガティブダメ。常にポジティブ思考!というメッセージ色が濃いように感じます。

 

もちろん、ご著者様たちは、大変な辛酸を舐めてから、このような名著を著したのであり、

 

読者を勇気づけて行動に移させるために

 

あえて成功のネガティブな側面を見せないよう苦慮されてこうなっていることは理解しています。

 

しかし、仮に、この著書のとおりの、ポジティブ一辺倒の人が近くにいたら、しんどくないですか。

 

人間、生きていれば、悲しいこと、理不尽なこと、しんどいこと、たくさんあります。

 

それを無視して、まるで人生において苦しみが存在しないようにふるまうのは、偽善的でもあり、

 

人の苦しみに理解を寄せようと努力しない態度であり、

 

その人間性は、平板で退屈といえるでしょう。

 

上記著書群のファンで、定期的に読み返している私自身も、無理解なポジティブ思考を振りまいて相手を絶望させぬよう

 

日々気を付けていきたいものだと心していきます。