介護療養型医療施設は2023年に廃止されることが決まっている。その転換先として創設されたのが、2018年から始まった介護医療院だ。しかし、まだ始まって間もないため、介護医療院とは具体的に何のための施設なのか詳しく知らない人も多いのではないだろうか。
介護医療院とは、簡単に言えば、要介護者の生活支援や長期療養のための施設である。法律で医師の配置が決まっているのが大きな特徴だ。医師のいない施設では経管栄養や喀痰吸引の必要な要介護者の受け入れは簡単ではないが、医師が常にいる介護医療院ではそれが可能なのである。
また、家具やパーティションで居住空間が区切られているのも一つの特徴で、これは大部屋にも当てはまる。4人部屋でも個々の利用者には十分なプライバシーが守られているのである。
加えて、ターミナルケアも可能な施設なので、重度の要介護者もしっかり医療ケアを受けつつ、人生の終盤を安らかに送ることができるのだ。
介護医療院には創設時に掲げられた理念がある。その理念とは、利用者の自立支援とともに、その尊厳を保持することも重視されている。また、地域貢 献の目的から、地域の人たちにも開かれた交流の場としても期待されているのである。
そんな介護医療院だが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と同じく、介護保険サービスで利用可能な公的施設だ。国から補助金が出るため、民間の施設より比較的リーズナブルな費用で利用できる点も、利用者にとってはありがたいポイントだ。
介護医療院で働く看護師の役割は、一般的な病院とは少々異なる。医療サービスを提供する場ではあるが、治療目的が第一の病院と違って、利用者が快適な生活を送れるようにすることが重視されるからだ。
介護医療院においても、看護師は医師の指示のもと医療行為を行う。喀痰吸引や呼吸器のケアも必要に応じて実施するし、寝たきりの人などには褥瘡のケアも行う。また、利用者のバイタルチェックや服薬管理等も日常業務の一つである。
介護医療院は高齢者が長期療養するための施設だ。そのためには施設全体が快適かつ安全な環境であり続けるように、看護師が意識しなければならない。たとえば、流行性の胃腸炎やインフルエンザなど感染症の予防には万全を期す必要がある。もし感染症が発生した時は、患者を隔離するなど必要な措置を取らなければならない。
利用者の生活の質の向上をさせるケアも看護師の仕事の一部だ。入所者の食事や入浴、睡眠などはしっかり観察し、食欲の減退や精神的な落ち込み等が見られた時は、アセスメントを実施しながら利用者の要望を聞いたり、看護計画に盛り込んだりしなければならない。そのほか、周囲のスタッフとも協議しながら、一人ひとりの利用者が快適な生活を送れているかどうか、そのためにはどんなケアが必要なのかを検討する必要がある。
看護師はまた、入所者の急変時に率先して行動しなければならない。医師への連絡、病院への搬送等、必要なことを迅速に行う。
加えて、介護医療院での重要な役割としてターミナルケアがある。したがって看護師には、家族とのコミュニケーションも含め、エンゼルケアのスキルが必要だ。こちらのサイトには、介護医療院の解説がわかりやすく掲載されてあるのでおすすめだ。
