壁ドン!  小学館

作者  佐久間 力

初版発行 2019年5月1日

 

中学時代空気以下の存在だった大野会心は

高校入学初日、誤って転落死しかけたところを

同級生の夏目登姫に救われた。

登姫は世界が注目する天才ボルダリング少女。

登姫に自分のコンプレックスだった痩せ型の体型を褒められた会心は、

新しい自分に出会うため、ボルダリングを志す。

最下位からの人生逆転の壁、登れるか⁉

 

なんとなく知っている程度のボルダリングがテーマの作品で、興味本位で購入。

 

当たりでした。

 

コンプレックスだったがりがりの身体が最大の武器に変わる。

 

そそります。

 

日本代表の夏目登姫を入学させて、在学中に金メダリストにする、

そんな理事長の企みから作られたスポーツクライミング部。

 

その実力がある者だけを育てるということで、初心者には不可能に近い入部テストが用意される。

 

そんな無理難題に、身体的武器と、イメージ力・想像力で挑戦する主人公。

 

登る前に、頭の中でシミュレーションをすることをオブザベーションというらしいです。

 

主人公にはこの能力も携わっていました。

 

そんな逆境という壁を、一つ一つ超えていく姿は見ていて気持ちがいいです。

 

またキャラクターもよく、主人公の友達には、真逆のぽっちゃり体型のザ・いいやつや、

主人公とは違い、オブザべを一切行わず、己の肉体を信じ壁を登っていく、口は悪いけど意外といいやつ。

 

個性的な面々に囲まれ、主人公が成長していく姿が、とても引き込まれます。

 

強豪校との戦いなど今後も熱い展開が待っていそうなこの作品。

 

青春スポーツものはいくつになってもそそられます。