着たい服がある  講談社

作者 常喜寝太郎

初版発行 2019年1月23日

 

「ロリータ服を着たい」

それは、女子大生・マミの誰にも言えない秘密だった。

家、学校、職場……社会の中で「自分らしく」あるために、

マミはもがき、傷つき、やがて答えを見つけていく。

 

はい、共感。

 

大なり小なり誰しも思ったことがあるのではないかと思います。

 

全員が全員ではないとは思いますが、服に限らず

キャラじゃないから、言わないでおこうとか、

これが好きなんて恥ずかしいとか、

似たような経験は誰しもあったのではないでしょうか。

 

そんな人は共感できると思います。

 

表紙の女性、主人公なんですが、

絶妙なこれじゃ無い感。

 

友人との待ち合わせに可愛い系のお洋服を着て行くと

「スタイルいいマミはかっこいい服着る義務がある」と

そのスタイルを羨ましがられます。

 

ですが、内心はロリータや可愛いものが大好きな女の子。

 

でもそれは“容姿的に”“キャラじゃない”のです。

 

その内と外のギャップに悩んでしまいます。

 

そんなある日、バイト先にヘルプでやってきたイケメンの小澤くん。

 

彼の服装が、まあ奇抜。

 

“奇抜な服装”で想像するものの数倍は奇抜。

 

当然周りからはドン引きされますが、当の小澤くん、我関せず。

 

「恥ずかしくない?」とか「流行りの服着たらモテるのに」とか言われますが、

「自分の着たい服着る方が一億倍気持ちいいんすよ」

「何着て、どこ行くかは自分で決めます」と一蹴。

 

その姿に、主人公も少しずつ変わっていこうと思い始めます。

 

それにしても小澤くん、身も心もイケメンですよ。奇抜だけど。

 

似合ってないとか、キャラじゃないなんていう価値観は持ち合わせておりません。

自分にも他人にも。素敵人間。

みていて気持ちがいい。自分には出来ないことだから。

 

そんな、共感満載の「着たい服がある」とても楽しめました。