昨日は、祝日にも関わらず国会が開かれ、急速に議論が加速している学校の九月入学(新学期)について議論があり、安倍総理からも前広に検討すると答弁したとのこと。(「前広」って、前向きに広くという意味かと思いきや、時間的に余裕をもってという意味らしい)
色々と賛否両論の意見も出ており、昨日の全国知事会議においても多くの意見が出された模様です。報道されているベースでは東京、大阪、愛知、宮城、広島の知事など前向きな意見が多い一方、当然のことながら慎重な意見も多く出ていました(我が県知事も、やはりというべきか慎重論です)
私は、大賛成の立場で理由を述べます。
2月27日、安倍総理は学校の一斉休校を全国に向け要請しました。そこから二か月以上子供たちは宙ぶらりんな状態にいます。
富山県の県立学校の臨時休校の実施通知を整理すると
2月28日通知 ~3月23日まで休校(⇒そのまま春休み)
4月7日通知 入学式から2週間(4月23日頃まで)休校
4月17日通知 ~5月6日まで休校
4月28日通知 ~5月末まで休校
実に4回の休校指示がでています。
じゃあ6月になったら休校が本当に解けるのか?
新型コロナの流行期は第2波、3波があるかもと言われるが、始まっても、またすぐに休校になるのでは?
まだまだ精神的に不安定な子供らに、疑問、諦めといった非常にネガティブな感情が芽生えていることを、しっかりと踏まえる必要があります。
9月を新学期として仕切りなおせば、児童生徒に大きな時間的な余裕が生まれます。学習面はもちろん、学校行事(運動会など)、部活動の各種大会(中止になったインターハイや春の甲子園など)の時期の再設定など様々な可能性が出てきます。副次的には、世界標準は9月入学という中において、そうした基準に合わせていける絶好の機会ととらえることもできます。
この新型コロナの時代に学校生活を送る子供達を、学ぶ機会が制限され、また学校行事が制約される犠牲者とせず、むしろ学校生活を半年長く送ることができたポジティブな思い出を持てる世代とするために是非とも政府には推進をお願いしたく、また世論も前向きに盛り上がることを期待したいと思います。
なお慎重論も多数出ています。私なりに反論を試みておきます。
(慎重派意見その1)9月の導入なんて早急だ。まずはオンラインなどの学習環境を整えて学習面のサポートをしっかりするべきだ。
⇒ 富山県の学校はほとんどが公立学校です。
タブレットなどを活用している学校は、ほぼ皆無。子供らにはスマホは普及しているが全員がオンライン環境にいるわけではない。学校の教員もオンライン授業の準備はできていない。こうした中で、子供らの学習機会を保障することは、到底無理です。
そして休校解除後も、withコロナです。いつまた休校措置が再開されるかわかりません。
一方でタブレット配備などは、どう見積もっても半年程度(多分もっと)はかかるのではないかと思います。
卒業を半年遅らすことで、タブレット配備や教員のスキルアップなどの時間的な余裕が生まれます。
また、休校措置などが、秋、冬に再び来ることを想定すれば1年半という期間は決して余裕のある時間ではない可能性もあるのです。受験生においても、冬場に再び休校措置が来ることを恐れながら、受験勉強できますか?
慎重派の意見もわかりますが、子供らに起きている問題は、すでに差し迫った問題であると思います。
(慎重派意見その2)社会の様々な制度(就職や会計年度)は4月から始まっている。
調べましたが、会計年度と学校の始業期がずれている国は結構あります。
イギリス 学校9月 会計4月
フランス、ドイツなど 学校9月 会計1月
など。やってできないことはないでしょう。
そして就職などですが、こちらも、おそらく簡単ではない事情が多くあると思います。
しかし、すでにどの企業もすでに困難を抱え、社会が変革せざるを得ないことを織り込んでいると思います。何が起きても覚悟して備えておかねばならないというマインドは生まれていると思います。
また、そもそも通常の就職活動(採用活動)などできるのかということに懸念を持っている企業も多いのではないでしょうか。
(慎重派意見その3)明治以来続けてきた制度を早急に変えるな。
東大でも秋入学が検討されています。また文科省でも何度も議論がなされきた。との報道もあります。つまり課題や論点はすでに整理されているという見方もできます。つまりこの議論は急に出てきたものではなく検証はすでに終わっているといってよいのではないかと思います。
あとは課題にどう折り合いを付けられるかにかかっています。
なお前提として当然ですが、このことにより生まれる家計や学校運営者の負担については、当然公費で賄われる検討がなされるべきということを申し添えます。
以上、長文になってしまいました。
皆様からいろんなご意見をいただければと思います。