向田ドラマが、YouTubeでたくさんアップされている


しばらくすれば削除されてしまうだうから


見れるうちに見直しておこうと、好きだったドラマから観ている


正月、お盆と恒例だった年2本の2時間ドラマ




昭和の家族の日常を描いた大きな事件などが起こることもなく、心温まる、古き良き時代


昭和の戦争の足跡、哀しい別れ、2度と繰り返してはいけない暗い時代への警鐘


そんな見方もあるかも知れない


そう、それがドラマの主軸であるのは間違いない


ただ

静かさの中の動、秘められたさまざまな想いが、どうにも抑えることが出来ずに表出する、そんな瞬間も数多く描かれている


それは向田邦子自身の秘められた激情、性への衝動のようにも映る


その写鏡は、加藤治子だ、だから加藤治子は向田ドラマには必要なのだ


良き妻、良き母でありながら、どこかうちに秘めた性を匂わせる

良き母であると同時にこのうえなく艶やかなのだ


たとえば、森繁久彌演じる義理の父への下の世話をしながら、その手の動きは、快楽の世話もする、その布団の下の秘められた手の動き

そのことは夫なきあと、まだ元気だった義父との性的な関係があったことを示唆している


妹が姉の義兄に恋をした禁断の関係を断ち切らせた母は、娘や家庭の秩序を守るためとしながら、実は母自身の女の性が爛れ、もつれる男女のことを誰よりも理解していたからだろう


向田邦子ドラマがシリーズ化された初期の作品

思い出トランプ

女手1つで息子を育て、嫁に辛く当たる、息子を取られたかのように嫁に嫉妬をしている

そして息子の浮気相手とアパートを突き止めて、嫁にそれとなくわからせる


宅配に来る若い学生の身体をタオルで拭いて、背中を撫でる、性と欲望、生々しいまでの女なのだ


嫁が家を出て行ってしまうと、今度は息子の愛人を足蹴にして、嫁のアパートに突然現れる


そして嫁とうなぎを食べながら、うちの息子だって、あの子の父親の子かもわからないわよ

女なんてわからないのよ、何人もの女が私の中にもいるんだから

そんな恐ろしいことをサラリと言い、冗談よ!大声を上げて笑い飛ばす、けして冗談ではないことが示唆される


いつも、加藤治子演じる母の秘められた性は、とてつもなく高温に煮詰まった真っ赤な液体の如く、その煮え立つ泡が沸点に達して外界に吐き出されるようだ


この女の性の視線なしに

向田邦子ドラマを見てしまうことはとても残念な気がする


加藤治子はお正月の母

岸惠子はお盆の母


やはり、加藤治子は素晴らしい、夏の母も彼女が演じていたら、また、違うドラマになったのだろう、そう思う