先週くらいにユーチューブで往年の名女優が
最晩年になってアカデミーの名誉賞を受賞するスピーチを見たりしてた
大好きなローレンバコールとジーナローランズ
バコールはハンフリーボガードの奥様
ジーナローランズはジョンカサベテスの奥様
2人とも名俳優、名監督、おしどり夫婦として、有名だった
ダンナを亡くしてからも、映画や舞台やテレビで活躍して、生涯女優を貫いた
バコールは亡くなったけれど、その数年前に名誉賞を、ジーナは80を過ぎて半ばになる頃に受賞した
2人とも舞台のトニー賞、テレビのゴールデングローブ賞、米国各地の批評家協会、海外の映画賞などは受賞しているけれど
何度かノミネートされたアカデミー賞では受賞することはなかった
なかったことは、あまりにも不思議なことで、この2人が受賞していない、それだけでもアカデミー賞は信用できない
バコールはラストシューティスト、オリエント急行殺人事件などで、ジーナはオープニングナイト、グロリアなどで、当然受賞に値するその年最高の演技をしていた
バコールはまだ受賞時にしっかりしていたので、ユーモアたっぷりに、そしてこの人らしい毅然とした、まさに女優の中な女優という見事な出で立ちでのスピーチだった
ジーナは、すこし年齢を重ね過ぎてしまったのだろう、かつてのクールビューティぶりはもうなく、すっかりと老年の体型になってしまい、話しぶりのテンポのなさにも、すこし見てい痛々しい気がした
バコールは元々ハーパーズビザールのモデルさん、若くして有名になり、ハリウッドのキングの1人、とても年の離れたボガードと結婚した、ボガード死後に舞台女優として数々の名演を見せ、映画でも名脇役を演じた
ジーナは、むしろカサベテスと結婚をしてから、彼が監督する作品で30代後半から活躍した女優で、カサベテスが亡くなった後もたくさんの映画に出続けた
各々違う道を進んだけれど、全盛期の美しさは、どちらも引けを取らないオーラがあった
そして、映画に出れば、その存在感と演技はプロフェッショナルだった
アカデミーにノミネートされながら、受賞からは無視され続けた多くの俳優は、この名誉賞を受賞する
言ってみれば、お詫びの賞だ
大好きな女優なら亡くなった、デボラカーもバーバラスタンウィックもロザリンドラッセルも、この賞を受賞した
それでも、最晩年になって、全盛期にその手に持つことのなかったオスカーを掲げる女優たちは、幸福な顔をしている
だけれども、一抹の哀愁のようなものが漂う
確実に受賞できる作品がいくつもあった、最も充実していた頃ではなく
人生がもう終わろうとする時に、オスカーを手にする、年老いた身体にはもう重すぎるそのオスカー像に
それでも、笑顔に溢れる年老いた顔は美しくて胸を打たれる、そのままに、整形をして若さに拘泥することなどなく、自然に年齢を重ねた顔は、本当に美しい