私は瞑想するとき、波の音源をよく使います。


「人の呼吸は海のリズム」なので。


人はリラックスしている状態の時、

呼吸が潮の満ち引きのリズムになるそうです。



潮の満ち引きは1分間に18回。


人の呼吸も1分間に平均18回。


寄せては返す波と、呼吸のリズムが同じ…


なんとも神秘的な…


リズムが調和するから

心地よさを感じるのですね。



心が乱れてる時、

ストレスを感じている時、

無意識のうちに呼吸は浅くなってしまう。


呼吸が浅いと、

新鮮な酸素を全身に送れない為、

血行が悪くなったり、

脳や自律神経に悪影響を与える。



「潮の満ち引き」と「人の誕生と死」が

関係するという話はよく聞きますが、


血液と海水の成分はほぼ一緒、

体液と海水のミネラル組成もほとんど同じ。


だから赤ちゃんが育つ羊水は、

ほぼ海水と同じ組成。



解剖学者、三木成夫先生は


「胎児は受胎30日を過ぎたあたりから

わずか1週間で、1億年を費やした

生命の進化を夢のごとく再現する」


とおっしゃっていたそうです。


受胎32日目の顔には魚の面影。


34日目になると両生類のカエルの顔。


36日目に爬虫類の面影になる。


心臓には隔壁ができ、

空気呼吸の準備が整い

ついに「上陸」のとき。


体が水中仕様から陸上仕様になり、

生命進化上の劇的変化に

必死で対応し耐える苦闘が、

つわりとなって母体に表れる。


そして38日目にようやく哺乳類の顔となる。


母胎の中の音は、血管を流れる血の音が

まさに波の音のように

ザーッと寄せてヒューッと引いていく。



そしてヒトの呼吸には、

太古の海辺のリズムが刻まれていると。


太古の昔、海の中の生き物が上陸し、

海の浅瀬に転がって

長い暮らしを送っていたとき、

呼吸は寄せては引く

波のリズムとともにあったはずだと

三木先生はおっしゃっていたそうです。




打ち寄せる波に息を吐き、

波が引いては息を吸う。


私たちが海に懐かしさを覚えるのは、

生命としての太古の記憶なのかもしれませんね。