指揮者・小林研一郎さんが、2005年に結成した「コバケンとその仲間たちオーケストラ」は、障害者も一緒に参加する「こころコンサート」を全国各地で公演して来ました。
10回目の今回は、NHK厚生文化事業団創立50周年記念事業としてNHKホールで開催されました。
私は、去年、千葉県館山市で開かれた公演に小林研一郎・桜子ご夫妻から声をかけて頂き初めて参加しました。
私は、しいのみ学園を開園した当初から、音楽は知的障害児の教育に欠かせないプログラムであることを実感してきました。運動場にオルガンを持ち出して、体を動かしながら歌を歌ったり、学芸会では、必ず全員で器楽合奏をしてきました。
しいのみ学園には、自閉症・閉じこもりがちな生徒、一時も席を温めることが出来ない多動症の生徒もいます。こうした生徒達が、両親の前で、合奏できるまでに指導する事は大変です。しかし、1ヶ月もすれば、見事な学芸会が出来るのです。
今回は、NHKホールのロイヤルシートにご招待頂きました。NHKホールに来たのは2度目です。1981年、国際障害者年の暮れ、紅白歌合戦の審査員としてスポットを浴びました。
以来20年ぶりですが、今回もまた大変な光栄に浴しました。コバケンさんの計らいで、3500名の聴衆を前に、次のような紹介を頂いたのです。『日本で初めての知的障害児の学校「しいのみ学園」を創立した昇地三郎さんが、会場にお見えです。昇地三郎さんは、今年103歳・今もしいのみ学園の園長さんです。福岡からお越しいただいています。』私は、立ち上がり帽子を振って会場の皆さんの拍手に応えました。
こころコンサートでは、3人の目が不自由なプロの演奏家・川畠成道さん、辻井伸行さん、鈴木加奈子さん、障害者で構成された館山の和太鼓グループなどが名演奏を行いました。
「長生きすれば・・良いことがある」脳性小児まひであった2人の息子、2人を支えてくれは、娘と妻の事に思いを馳せながら、小林ご夫妻に深く感謝した次第です。