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加藤武彦さんとの出会いは、私の写真で綴る生涯録「百二歳児」(2008年)です。加藤先生は、この本を見て、私の生活習慣の一つに「一口30回噛む」があることに注目されたのです。

加藤先生から、間もなく、アメリカの実業家ホーレス・フレッチャー(Horace Fletcher(1849~1919)が1913年に顕した「完全咀嚼法」の翻訳本(1931年発刊)のコピーと面談の申し出が届きました。

そして、去年の10月19日の九州歯科医学会の会場でお目にかかったのです。

そこで私は、75歳から総義歯であること。総義歯であるにも関わらず、その後28年間経つ今も、一口30回噛む習慣を続けていることをお話ししたのです。医学会の会場には、私の総義歯治療をして下さった菅野先生(歯科医)をご紹介したのです。

加藤先生は、総義歯歯科医療の向上のため、13年前から歯科医・歯科衛生士・歯科技工士に呼び掛けて研究会を続けてこられました。

その大会で、私が講演することになったのです。8020推進財団が10年前に行った調査によりますと80歳の人の47%は、歯が無いのです。80歳人口のおよそ半数は、入れ歯に頼らざるを得ません。
私は、28年間、義歯を造り変えたことはありません。オカキでもピーナツでも美味しく食べています。夜中に入れ歯を外すこともありません。

今回の研究会では、総義歯歯科医療の恩恵を受けてきた経験をもとに、患者の立場から噛むことの大切さと総義歯医療の一層の充実を訴えました。

現在の総義歯医療費は、上下合わせて僅かに7万円しか、健康保険医療費が認められていない事に驚いています。これでは、患者が満足する入れ歯が出来ないのも当然です。(事実、沢山の人が入れ歯を何回作り直しても合わずに悩んでいます)

全日本病院協会が作成した「病気毎の医療費一覧表」に寄りますと大腿骨頸部骨折では1,458,960円、膝関節症では1,630,730円の医療費が支払われているのです。
下肢の骨折や痛みによる健康への影響と咀嚼の不自由さを天秤にかけて、総義歯医療がこれほど軽易に扱われていることは、食生活に対する我が国の歯科医療に対する意識の低さと医学界・歯科医学会のレベルの低さを物語っています。

歯科医師の中に「総義歯は、咀嚼のためのリハビリテーション器具にすぎない。歯が無くても生きている人がいるではないか。」と公言して憚らない人がいることをある雑誌で読み唖然としました。

私の経験からすると「義歯がなければ、食事は美味しくない。人前で話すことが出来ない」。
口は、命を支える食物の入り口であると同時に、言葉を発して衆人とコミュニケーションをとるための社会への出口なのです。」

幸いにして、歯床を作るための良質のプラスチック素材や咀嚼に耐える良質のセラミック製の歯が開発されたことで、私の様に咀嚼と会話が何不自由なく、また顔形も老いることなく整える歯科医療が、確立しています。

ただし、私のような総義歯医療を受けるには、それなりに健康保険医療が整備される必要があります。80歳以上の高齢者の半数は、総義歯医療の充実を待ち望んでいるのです。