SFCの中でも評価の高い『スーパーマリオ アイランド』(リメイク版は『スーパーマリオアドバンス3』)。
その続編(ヨッシーにボイスがついていたり、ひみつコースがあったりするので、リメイク版の続編といったところ)である『ヨッシーアイランドDS』は「ガッカリゲー」と評された。なぜなのか。理由は以下。

ゲームカタログwikiに書かれている内容とほとんど重複する。リフトについては個人的なこだわりから。
・緊張感のないBGM(とくに、砦・城、ボス戦)とスーパースターのBGM(いつもの曲じゃない)
・前作にあった各種スイカストックアイテム(とくに、見破り虫メガネ)の廃止(タネ攻撃、アイスブレス攻撃の廃止)
・ストックアイテム廃止によるボーナスチャレンジ(前作の流用)の面白さが大幅減(ただの残機増殖)
・タマゴのバウンド数の減少、赤色に至ってはバウンドしない(バウンドするのもベビィマリオ、ワリオ、クッパを乗せた状態に限る)
ダッシュがベビィマリオ固有の特徴にされ、その他のベビィないしヨッシー単体でダッシュ不可能(スーパースターで変身できるのも前作同様ベビーマリオのみ)
・ボツネタその8 しょぼい
・中間リングはゴールリングと違ってくぐらなくても触れるだけけでOK
・魚雷の撃てなくなった潜水艦
・メッセージブロックの文字が標準サイズばかり、終盤の場面でもでかくならない
・ビッグワンワンの迫ってくる効果音がしょぼい
・カチカチくんの群れを一掃しずらい
・赤色の高速リフトより速い、超高速リフトがなぜか緑色(緑→黄→赤の順なのは前作と同じなのに)
・超巨大回転リフトが序盤のあるステージ一箇所だけしか登場しない
足こぎリフトを動かしても音が鳴らない(乗るとその場で回る黄色のリフトは今作の新要素なので音がないことに不満はない)
・赤色の回転リフトがあるのがあるステージの一箇所だけ、しかも速さはピンク色と同じ(実は、このステージに限り回転スピードが一段階遅くなっているため、ステージ内のピンク色リフトよりは速い)
・前作にあった、謎の立体的平面エリアがない。波打つ溶岩もなければ、ピンク色をより薄めた色や、青色のリフトもない。
・ストックアイテム廃止および即死トラップ(溶岩もあるが、何かと針、針、針)の数々による難易度の急上昇(それでも、攻略本の活用と残機増殖により覚えながら攻略した達成感は感じられた)
・ロケットヘイホーにタマゴを当てる場面がよりにもよってボス戦
・ボスは雑魚敵が巨大化するのではなく、なぜか突然出てきたキャラがわりと多い
・あるボスは無敵の雑魚敵が巨大化したもので、その雑魚敵に食べられると即死なのにボスは即死じゃないし、ボスなので倒すことができる
・あるボスで、ヘイホーを食べてサンボとして吐き出すという演出
・ボス戦の難易度にばらつきが生じる。あるボスは、強力なタマゴになるキャラを乗せると大幅に簡単になる。終盤でも、あるボスはベビィクッパで炎を吐いて攻めまくれば簡単。ラスボスの前座が弱い
・演出面が劣化。敵を全て倒して報酬が出てくる効果音がしょぼい。ミニゲームで失敗すると表示されるのはボロ布に赤いバツ印。100点取ったのに緑色とオレンジ色の点滅と雑。魔法のかけ方やらボスの倒れ方、城に殴り込みに行って破壊し旗を立てる描写がない、唐突に入るストーリー、バックで流れる緊張感のないBGMなど
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そして、ヨッシーアイランドシリーズの新作、『ヨッシー New アイランド』が発売された。わくわくする作品になったか、上記の不満は解消されたか、新要素はどれくらいあるのか、様々な期待があった。

ところが…

・操作性の劣化

入力して動くまでの間のラグに非常に違和を感じる。タマゴ投げのモーションが非常にトロい。敵を飲み込んでタマゴにするまでや、タマゴを持って投げるまでが無駄にモッサリし過ぎている。ボス戦に至っては敵を口に含み、直接吐き出してぶつける方がタマゴ投げにかかる時間、タマゴの角度を考える必要が一切ない上にタマゴより当てやすい。タマゴを持っていない時に投げるボタンを押しても無反応なところも手抜きとしか思えない。
また、空中で敵に当たるとヨッシーは真っ逆さま。直後に踏ん張りジャンプができた前作から大幅に打たれ弱くなってしまった。しかも1秒ほど動けない。(前作は初代と違い、空中で敵に当たっても即座に踏ん張りジャンプして舌を伸ばせばスターポイントが減らずに赤ちゃんを回収できた。)
他にもスライドパッドで操作するためヒップドロップの暴発が起こることも。踏ん張りジャンプ中に天井にぶつかると、前作と違い少し操作を受け付けなくなってしまう。そもそも鬼畜な前作と違って、今作はこのような操作性の悪さで、見た目以上に難しい。とにかく楽しくない、モチベーションが上がらない

・つまらないBGM

前作よりもBGMのバリエーションが少ない。同じフレーズの繰り返し、繰り返し。冒険の舞台が変わってもまたこのフレーズ。地下から地上へ出てもまたこのフレーズ。隠し部屋はよく分からない短いBGM。操作性の悪さと相まって楽しくない、モチベーションが上がらない
一応、砦・お城、クッパ城のBGMは前作よりも不気味さは上がってはいる。クッパ城固有のBGMは数種類ある。しかし初代には劣る。
今作で最も評価できるのは真のラスボスBGMである(しかし、手抜きすぎるし弱すぎる)
本作のテーマとなるフレーズの繰り返しはとにかく苦痛であった。

・初代を意識するあまり、初代の劣化版と化した

前作はワールドが5つしかない代わりに1ステージがかなり長かった。今作は初代を意識してか、ワールドは6つでステージはワールドにつき8つ+スペシャル。ひみつステージはない。しかし、1ステージのボリュームは初代より短い。5分の2くらいしかない。そのくせ鍵を探す砦、ウンババやノモズの住む水辺など、ステージ構成を初代意識すなわちパクってきているため真新しい要素がほとんどない。また、ボリューム減少のため、初代・前作で多様なステージに登場していた敵、例えば点滅ヘイホーやボロドー、クリボーなどは一部のステージにしか登場しない。多くのステージで見かけるのはヘイホー、パックンフラワー、あほーどり、つむじくんなど。つむじくんは突如現れる登場の仕方が追加された。
新要素は超巨大なヘイホー、巨大な鉄製のヘイホーを食べることで、それぞれ「メガタマゴ」「テツタマゴ」を入手できる。これを投げると通路を塞ぐ石の壁を破壊できたり、投げずに持ち続けることで水に潜ることができる。唐突に出てくるうえ、初代のデブホーおよび巨大タマゴは登場しない。新要素は他にはマメの敵や、砦で出てくるハンマーくらいしかない。前作の新要素などなく、しかも初代の要素、例えば渦巻きリフトや往復型矢印リフト、触れるとリフトになるブロックのような細かなものはない。

・初代からの設定を改悪

初代および前作で飲み込めたはずの敵が、今作では口には含めるが飲み込めない、あるいは飲み込みすらできなくなった(でぶあほーどり、死神さん)
初代および前作では当たり判定がなかった敵に、当たり判定が付加された(おさるさんなど)
杭をヒップドロップで打ち込むときの挙動が前作までと比べておかしい
今作はスーパースターに触れるとマリオではなくヨッシーが変身する。またモーフィングはジャイロ操作することになる。賛否両論あるが、とくにジャイロ操作において動く赤コインを取るのは非常に難しい。
タマゴブロックを叩いたとき、敵を飲み込んだときにできるタマゴは緑色だけではなく、一定確率で黄色、赤色が出てくる。しかし本作ではタマゴを反射させる必要がある場合では、赤色(反射しない)、場面によって黄色は使えない。前作からより改悪。
割ると赤コインが出てくるタマゴは、敵に当てなければならない。ハテナ雲にぶつけると消えてしまい、赤コインを失ってしまう。
スターのお守り、コイン、タマゴの判定が厳しくなり、舌でキャッチすることが難しくなった。スターのお守りやコインは演出面でも変わっており、初代・前作では飲み込んでいたが、今作は舌が単に触れただけである。地味にひどい改悪。
砦のボス戦が巨大化した雑魚ではなくカメック。敵が攻撃する前にこちらが攻撃し、そして相手が反撃。これを繰り返し3回ダメージ与えると終了。戦うフィールドにもよるが、攻撃しにくかったり、反撃をかわせる箇所があったりととにかくつまらない。
ボス戦、ラスボス戦もつまらないルーチンが続く。召喚する雑魚キャラがよりにもよってヘイホーだとさらにやる気のなさが感じられる。
ラスボスも最初に召喚、上から炎、長引くと炎でなぎ払い、反撃に至っては足場を上下させるだけ単調な上に難易度が低いしかも3回ダメージを与えると終了。真のラスボスはまさかのほぼ同じ。3回攻撃したら終了な点も。
そのくせ、なぜか1回ではなく3回攻撃しないと沈まなくなった巨大ウンババ。無駄に硬い上に状況によってはボスより厄介。
採点システムの変更で、100点自体は難しくなくなった。しかし、中間ゲート後であってもミスすると再開時にスターポイントは必ず10ポイントある条件を満たすと現れるコインの中に赤コインが含まれている(コインが回転している場合、すぐに赤コインを取れたり取れなかったり)、フラワーは隠しハテナ雲からのケースが多く、理不尽さは相変わらず。一度に全て取り終える達成感がなくなり、何よりその採点画面には各項目のチェック欄の左上に花マルが描かれるが、各項目や合計点を数値として表示してくれない

極め付きは初代のエンディングの続きに、「赤ちゃんの届け先を間違え、正しい届け先へ向かう途中、再度カメックに襲われる」という設定を付加してしまったこと。これのせいで初代エンディングの感動が台無し。本作が良かったとしてもこの演出は賛否両論だというのに、本作品そのものの評価が非常に悪いこと、悪いこと。

◇まとめ
1.初代→DSでの改悪
BGM、ストックアイテム、スイカ、タマゴのバウンド数、足こぎリフトの音、城を爆破し旗を立てる描写、即死トラップ、巨大化雑魚キャラじゃないボス、その他演出面

2.DS→Newでの改悪
操作性、BGM、ヨッシーの打たれ弱さ、一定確率で出る黄・赤タマゴ、条件を満たさないと現れない赤コイン、隠しハテナ雲、舌で掴めなくなったアイテム、ボリューム不足、ラスボスが単調で弱い

3.初代→→Newでの改悪
上記全て。メガタマゴ、テツタマゴを除いた新要素がほぼないため、Newというタイトルにも疑問が生じる。

4.DS→Newでの改善
(良くも悪くも)原点回帰、スイカ復活、BGM(砦・城・ボス・ラスボス・スーパースター)
本作は初代のステージ構成や背景などをパクっただけで本当の意味で原点回帰したとは言えない。せめて聴いてて飽きないBGM、ストックアイテムの復活、しぶといラスボスなど、「ヨッシーアイランド」に欠かせない要素を復活させてほしかった。

◆ヨッシーアイランドDS
不満はあれど、オールクリアした達成感は大きかった。ヨッシーパークで色々な敵キャラを見ることができるのも魅力の一つ。
難しかったステージは3-ひみつ、5-ひみつ。これらで取った最低点数は58点。
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楽しかったステージは3-スペシャル、4-2、5-3。
ある小屋の中で、ヨコヤリホーの槍に重なってDKダッシュしてバグらせたり(メニュー画面から脱出可能)、鍵を入手と同時にタマゴ投げコマンドで鍵を投げたり(1-2他全ての鍵があるステージで可能。投げても同じエリア内にある鍵扉には入れる。場面が切り替わると何故かタマゴや数字玉を持ってることになってる)、
鍵を投げようとしている際に空中で敵にぶつかり、赤ちゃんを回収する前にすぐに空中で鍵を投げて、その後赤ちゃんを回収し、鍵扉に入ろうとしてバグらせたり(2-6他同じエリアに鍵と鍵扉のあるステージならどこでも可能)と、初代とは違う遊びでも楽しめた。

◆ヨッシー New アイランド
操作性、BGM、ボリューム不足と不満はあるが、クリアだけなら3作の中で最も簡単。
真のラスボス戦のBGMは個人的にシリーズの中で最高。