5月2日(月)。
脳腫瘍のガンマナイフ治療を受け、退院して3日目になる。
傷口も小さく、治療の痛みなどは無い。
それは、ありがたいコト。

おでこ2ヵ所、後頭部2ヵ所、の傷口。治療後、1週間消毒しないといけない。
治療が終了したばかり、気持ち悪くてベットで寝込んでいた時、看護師サンが夫に消毒の仕方を説明していた。

1日目、2日目、夫に頼んで消毒してもらう。
夫は自分から「やろう。」とは言わない。私から言われるまでは忘れている。
相手が不快にならないよう気を使いながら、お願い事をするのは、いつものように多少ストレスになる。
でも仕方ない。やってくれる家族がいるコトに感謝しないと…と、いつものように自分に言い聞かせる。

3日目。今日も待っていたが、夫は覚えていないようなので、夕方、お願いをする。
「消毒はどこにあるんか?」
「え…、知らない。」
「自分のコトやろ!」

今日はキレた。私が。
2日間夫が使って、どこかに置いたのだ。夫しか場所はわからない。

そして…。
自分のコト。

介護を強要したコトは1度も無い。できないコトは、いつもいつも態度や言い方を気にして頼んできた。
やってくれない…、と黙って諦めたコトも沢山ある。

なんで、こんな言われ方をしないといけないのか。
あちこちに転移した癌を抱え、遂に脳にまで転移して…、
それでも気を使い続けて、いろんな思いをのみ込んで生きているのに。

逆の立場だったら…、とよく考える。
脳腫瘍治療跡の消毒を「自分のコトやろ」と突き放す自分が想像できない。
そんなことをされて、夫はどう感じる人なのだろう。

それでも。
家族の存在、何よりも感謝すべきコトなのだろう。
わかっているつもりだ。
自分の本音に寄り添ってほしい、なんて思うと、つらくなる。
癌で無かった昔も。癌と共生している今も。

自分で自分を必死に力づけて頑張る日々。
孤独だ。


沢山立腹したら、明日は落ち着きますように。
家族と、この生かされている日々に感謝する自分に戻れますように。
アト45年、感謝の思いを積み重ねて生きていけますように。

208日目