由依said


1月1日。


深夜に嫌な夢を見てしまって起きてしまった。

初夢だというのに、本当に最悪だ。 



嫌な夢_それは恋人である理佐と別れる夢だ。


理佐に捨てられ、私がずっと家で泣き崩れている絵面がまだ脳内に浮かび上がる。


ベランダで肌寒い風を浴びているとドアが開いた音がした。


?「由依、どうした?」


大きすぎない毛布を持って、理佐が私に声をかけた。


由依「起こしちゃって、ごめん」


理佐「それは平気だけど、風邪引くよ」


すると、理佐は私に毛布をそっと掛けてくれた。

私はこういう心優しい所が好きで、いつもさり気ない気遣いにキュンとしている。



由依「それじゃあ、理佐が風邪引く」


理佐「私は大丈夫だよ。下にいっぱい着てるから」


由依「なら良いけど...」


理佐「うん。なんかあった?深夜にベランダ行くなんて」


由依「ちょっとね、」



私は全部理佐に話してみた。

話し終えたあと、理佐はあっと驚き少しくすくすと笑っている。


由依「なんで笑ってるの...大事なのに」


理佐「落ち込んでるの?笑」


由依「落ち込むに決まってるでしょ...ばか」


理佐「かわいいね?」


由依「それバカにしてるでしょ」


理佐「してないよ。ただ可愛いなって思っただけ」


由依「もう...」


理佐「...私はさっきまで、由依とイチャイチャしまくる夢見てたよ?」


由依「え?」


理佐「ソファーで抱きしめ合って好きなところ言い合うとか、キスするとか。幸せだったよ」


由依「そんな...」


理佐「年上の方が夢を優先されるから大丈夫。私たちの未来は明るいよ」


由依「なにそれ、優先とかあるの?」


理佐「そこは触れないで笑」


由依「んふふ笑」


理佐「由依が見た夢、絶対に現実にさせないから」


真剣に言う理佐の目がかっこよくて思わずドキドキする。


由依「信じる」


理佐「...今、理佐かっこいいとか思ってたでしょ?」


由依「はっ?笑、なに言ってんのそんなことない」


理佐「嘘つくの下手〜」


由依「なんでそんなに分かるの?」


理佐「由依のこと初期の頃から見てきたもん。当たり前じゃん、私の大切な彼女さんっ!」


理佐は思い切り私にデコピンをしてきた。


由依「痛っ」


理佐「あはは笑」


由依「ばか」


理佐「由依の方がばか」


由依「ばーか!」


理佐「ばかばかばーか!」


由依「んふふ笑」


理佐「ふふっ笑、もう少し寝よ?」


由依「うん」



理佐はそう言うと私の手を取り、ベッドに向かった。


由依「理佐、」


理佐「ん〜?」


由依「今度は良い夢見れるかな、?」


理佐「見れなかったら私がその夢に侵入して永遠に見たくなるような夢に変える」


後ろ姿だけど、真剣なのが伝わってくる。


由依「待ってるね」


理佐「うん。2人で最高な夢見よう」



1つしか歳は変わらないのに理佐は大人すぎる。




私は来年、
その言葉を超える
かっこいい言葉を言えるのだろうか。



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明けましておめでとうございます。
皆様、良いお年は過ごせたでしょうか?


私は例年とは違って、帰省せずに家族とゆったりお家で歳を越しました!笑


皆様はどんな過ごし方をしたのかすごく気になります^^*





今年もよろしくお願いします。
これからも読んでくださると幸いです!