彩花said


どうやら、私の恋は終わったようだ。


陽菜「史帆さーん!」


毎日のように私の好きな人はメンバーに抱きつきに行ったり驚かせたりしている。


どうせ、私にも来るんだろうと思い、ずっと待ったいたりしていたけど特定の史帆にしか行かないみたい。

史帆「もう、KAWADAさんなに〜?」

陽菜「あの!そろそろ下の名前で呼んでくださいよ!」


頬を膨らませて怒っている陽菜は世界一可愛い。


彩花「うわぁぁ…」


私はハグしている2人の姿を見るのが辛くなり私は机に突っ伏した。


どうしよう、このままだと史帆にとられるよ..

アピールしたいけど、私はしすぎちゃって絶対嫌われる。だけど、陽菜にはとられたくない。


もう、終わりだ。


?「陽菜のことですか?笑」


失笑しながら誰かが隣に座ってきた。


彩花「え?」


?「好きなんですよね?」


彩花「んん?!」


陽菜の親友であるひよたんこと濱岸ひよりが図星をつついてきた。


ひより「違いました?」


彩花「ち、違うよ!べ、別に陽菜なんか好きじゃないし、」


ひより「え〜、好きだと思ったのにな〜」


ひよたんが陽菜の方を見て呟いた。


ひより「あ、この前、陽菜に彩花さんのことどう思ってるか聞きましたよ」


彩花「えっ?!なんて言ったの?!」


ひより「めっちゃ興味津々じゃないですか笑笑」


彩花「あっ、こ、これは...」


ひより「動揺しすぎですよ笑、私だけに本当のこと教えてください」


彩花「う、うん。実は、陽菜のことが好きなんだよね...」


ひより「おお、やっぱり笑。私が彩花さんのことどう思ってるって聞いたら大好きな先輩って言ってましたよ」


彩花「でも、その大好きって...」


ひより「もしかしたら、恋・愛・感・情かもですよ?笑」


彩花「うえっ?!」


私がイスから立ち上がり変な大声を出してしまったのか楽屋が静まり返った。


久美「どうした?笑」


彩花「あ、ごめん!笑、何もない」


私はみんなに謝りながらイスに座った。


ひより「驚きすぎですよ笑」


彩花「だってひよたんが余計なこと言うから、」


ひより「あ、陽菜がこっち来ましたよ」


彩花「えっ」


ひよたんが向けている視線を見ると、陽菜が笑顔でこちらに来ていた。


陽菜「彩花さん!なんで驚いてたんですか?」


彩花「べ、別にー?...ひよたんの好きな食べ物が独特すぎてそれで驚いてたんだよ。ね?ひよたん?」


ひより「は、はい!あ、ちょっとトイレいってきますね?笑」


片方の口角を上げ、ニヤッと私の方を見た。


ただでさえ、陽菜の話せないのに、2人きりになるともっと話せなくなるのひよたんは知っててこんな事させたな...

まったく、後でみーぱんに言ってお仕置してもらおう。


陽菜「行ってらっしゃい!」


彩花「あ、えっと...」


陽菜と2人きりになり、会話の内容が浮かばない。

陽菜「あ、あの...っ、」


彩花「ん、?」


陽菜「相談...いいですか?」


彩花「相談?うん、いいよ。別の部屋に移動する?」


陽菜「はい、できれば...」


私こんなこと言ったけど陽菜と部屋に2人きりって心臓持つかな。


彩花「じゃあ、休憩室行こっか、」


陽菜「はい!」


綺麗な歯を見せながら笑顔を浮かべた。


まったくこの子ったら、そんな笑顔向けられたらすぐにキュン死するっつーの。


休憩室に向かっている間、横を見ると腕に巻いていた真っ黒なヘアゴムでポニーテールに髪を束ねていた。

私はその綺麗なうなじに思わず胸がしめつけられる。


ポニーテールとか私が一番好きな髪型じゃんか...


陽菜「お揃いの髪型にしました!笑」


なにその理由?!可愛くない??


彩花「いいね、お揃い笑」


陽菜「彩花さんはポニーテールが一番似合ってますよ!」


彩花「ばっか/////」


陽菜「あははっ笑」


陽菜はそう笑って休憩室のドアを開けた。

案の定、部屋の中にはスタッフさんもいなく、どうやら私たちだけだ。


陽菜「座りましょ?」


彩花「そうだね、」


私と陽菜は向かい合うように座り、視線が交差している。


陽菜「あ、あの…」


彩花「ゆっくりでいいよ」


陽菜「はい…あの今から言うこと秘密にしてもらってもいいですか?」


彩花「うん…もちろん。秘密、ちゃんと守る」


陽菜「ありがとうございます。あの、私...す、好きな人がいるんです」


彩花「えっ、?」


思いもよらなかった言葉が陽菜の口から出てくる。

陽菜「あ、えっと。坂道グループの中にいるんですけど、…」 

てことは私ってこともあるよね?!
けど確率は低いけど…


彩花「うん。」


陽菜「ずっとアピールしてるのに、全然気づいてもらえないんです...」


彩花「その人めっちゃ鈍感じゃん、笑」


陽菜「そうなんです、...」


あー、そんな落ち込んだ顔しないでよ…


彩花「私も、陽菜と同じだよ?」


陽菜「え?」


下を俯いていた陽菜が私と目を合わせた。


彩花「私も坂道グループの中に好きな人がいるんだ。けど、どうやらその人は別の人が好きみたいなんだよ、それを分かってアピールなんて…私にはできない。アピールしようとしている陽菜の勇気は本当に尊敬する。」


陽菜「彩花さん…」   


彩花「なんて言うんだろ、もっとハードなアピールしてみたら?笑」


陽菜「ハード...?」


彩花「ん〜、例えば、抱きつくとか?笑」


陽菜「抱きつく…」


彩花「ごめん笑、私実はきちんと答え出すの苦手なんだ笑」


陽菜「そうなんですね…笑」


彩花「中々、勇気あると思うけど、どうかな?笑」


陽菜「じゃあ、頑張ってみます!」


彩花「うん!」 


陽菜「彩花さん、立ってください」


彩花「...えっ?なんで?!」


陽菜「いいですから、お願いします」


私は混乱したまま、ゆっくりと立った。


彩花「なんか変?笑」


陽菜は頭を横に振り、私の前に突如立ってきた。


彩花「え、陽菜?」

 
ぎゅ


陽菜は何も言葉を発さないまま、私に抱きつき、私の胸のドキドキが徐々に高鳴っていくのがわかる。抱きしめ返したいけど、私にはそんな勇気はない。


彩花「陽菜?それは、好きな人にやるんだよ?」


陽菜「やってますよ。今、好きな人に」


彩花「どういうこと?」


陽菜の言っている意味がわからない。


陽菜「私の好きな人、彩花さんです」


一瞬夢かと思ったけど、どうやら現実みたいだ。

だけど、認めたくたくない。 


彩花「嘘、だって史帆に抱きついてたじゃん」


陽菜「それは...彩花さんに私のことを見てほしかったから...」


彩花「っ/////」


陽菜「彩花さん、私じゃだめですか?」


驚いて私はどこか遠くを見ていると陽菜が抱きしめながら私の目を見た。


陽菜は私よりも身長が低いから上目遣いになっている。うるうるした目、目にかかっている前髪がすべて愛おしくなって私は手が勝手に動いた。


陽菜「えっ、」


私は陽菜の腰に手を回した。


彩花「私も...陽菜のことが好きだよ、?」


陽菜「え...」


彩花「私と、付き合ってください」


こんな事言えないって思ってたけど、すらすら言える。


陽菜「っ、...わ、私でよければ...お願いします...」


陽菜は私を抱きしめる力を強くしたため、私も同じくぎゅーっと陽菜の頭を撫でながら抱きしめた。


彩花「やった、」


陽菜「彩花さんは鈍感なんですよ...」


彩花「ごめんって笑」


陽菜「まったく...」


彩花「怒らないで?陽菜は笑った顔が1番可愛いから」


陽菜「/////」


陽菜が顔を見せたくないのか、私の胸の中で顔を埋めた。


トントン


休憩室からノックが聞こえ、私は陽菜の体をすぐさま離した。


?「失礼します...」


彩花「あっ、」


?「...」


目が合うと、そこにはわざと入ってきたと言わんばかりのひよたんがいた。


彩花「ひよたん、!」


ひより「おめでとうございます。私がお二人の恋のキューピットでしたよー?笑」


陽菜「え?!」


彩花「ひよたんに相談してたの?笑」


陽菜「...はい、彩花さんも?」


彩花「ひよたんに図星つつかれて笑」


陽菜「そうだったんですね笑」


ひより「良かった、2人がくっついて、」


彩花「もしかして...告白聞いてた?」


ひより「いや、悪気はないんですよ?笑、トイレから出てきた時に2人が休憩室に入っていくのを見たんで...こっそーり、ドアに耳を傾けてました!笑」


彩花「まじか...恥ずっ、」


陽菜「あはは笑」


ひより「あ、そろそろひなあいの撮影始まりますよ?先行ってますね」


彩花「あ、うん」


ひよたんは私に微笑み、休憩室から出ていった。  


陽菜「彩花さん、」


彩花「ん、?」


陽菜は私の名前を呼び、背伸びをして耳元でこう囁いた。




陽菜「大好き」







end.


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(画質悪くてすいません🙇‍♀️🙇‍♀️)


この2人はもうできているんでしょーか??笑


この陽菜ちゃんのほっぺのキスの仕方なんか...(お察しください)


多分このカメラがない時は絶対唇にキスしてます。(おい)