ひかるsaid

私と由依さんはメンバー公認で付き合っている。


私はいつも大好きと気持ち伝えているのに由依さんは「ありがとう」だけ。1回だけ好きと言ってくれたけどその時は告白のときだけ。

いくらツンデレでも本当に好きなのか分からないし、由依さんの気持ちが知りたい。


そして今日は、私と由依さんが付き合って3ヶ月。何にも言ってこないけど由依さんは3ヶ月だってこと気づいてるのかな……


私は楽屋の椅子に座って本を読んでいる由依さんに声をかけた。


ひかる「あの…」


由依「あ、ひかる。どうした?」


ひかる「今日、仕事終わったらご飯行きませんか…?」

断られませんように。

由依「…了解。終わったら連絡して?」


由依さんはそう言って小池美波さんの方へ向かっていった。

もう私じゃなくて美波さんの方が好きなのかな...

私は思わず、下を俯きその場に立ち尽くすしかなかった。涙が込み上げてき、1滴、涙が床に落ちた。


?「ひかるちゃん?大丈夫?」


顔を上げると心配そうに私を覗いてきた葵さんは私に微笑み、手を掴んで楽屋の外に出た。


ひかる「...すいませ、ん...っ」


葵「全然。人気のないところ行こっか」

葵さんは歩き始め、私も後を追った。

人気のないところがなかった結果、女子トイレの鏡の前に来た。


葵「由依のことでしょ?」


ひかる「えっ、?あ、...はい」


葵「ひかるちゃんは由依がもう自分のこと好きじゃないって思ってるでしょ?笑」


ひかる「...はい」


葵さんは何でもお見通しだ。


葵「由依ね、ほぼ毎日私に惚気話してくるんだよ?」

ひかる「...え?」


葵「ひかるに大好きって言われたんだ〜とか、ひかるのハーフアップめちゃくちゃ可愛いとか、もう呆れるくらい...笑。普段は言えないけど由依にとってひかるちゃんは特別なんだよ」


ひかる「由依さんが...そんなこと...」


葵「嘘じゃないからね?由依は恥ずかしがり屋だから言えないんじゃない?笑」


ひかる「そうかもです...ありがとうございます、」


葵「いーえ、じゃあそろそろ行くね?」


ひかる「はい、本当にありがとうございました」


葵さんは私に向かって微笑むと、トイレから出ていった。


由依さんが私の事話してたなんて...何だか恥ずかしいと嬉しい気持ちが半々になった。

 

先程言われたことが嬉しかったため、この後の仕事も失敗することなく終わった。


ひかる:終わりました


私はスマートフォンを取り出し由依さんに一言、連絡を入れた。


すると既読は即秒。


yui:外にいる。準備出来たら来てね


ミーアキャットのキャラクターに見えるスタンプ付きでメッセージを送られた。


外...もしかしてずっと待っててくれたのかな。


私は急いで荷物をまとめ、コートを羽織り楽屋から出ようとした。


?「ひかるちゃん!」


誰かに呼び止められ後ろをむくと葵さんがいた。


葵「今からデート?笑」


ひかる「はい!実は3ヶ月記念日で...」


葵「お、じゃあ髪の毛セットしていい?笑。2分で終わるからさ!」


ひかる「あ、じゃあ...お願いします」


葵「うん!座って座って」


葵さんは私を椅子に座らせ、自分のカバンからピンクのリボンを取り出した。


ひかる「え...それって葵さんのじゃ、」


葵「いーの、由依ね言ってたんだ。いつかひかるにもリボンの編み込みして欲しいなって。」


ひかる「だから葵さんは...」


葵「そう。もうこんな可愛いひかるちゃんみたら由依倒れちゃうんじゃない??笑」


ひかる「いやいや、そんな...笑」


葵「んふふ笑、...ねじって、縛る!」


葵さんは手際よく、後ろでリボンを縛った。


葵「よし、出来た!ハーフアップ風、リボンの編み込み!!」


自分の鏡で見ると、すごい繊細に編まれていた。すごい...こんな短時間で...


ひかる「あの!ありがとうございます!」


葵「それはちゃんと由依が喜んだ後に言ってね?笑、ほら、行ってきな!」


ひかる「はい!失礼します」


私は駆け足で楽屋を出、外に出た。


周りを見渡すと、時計台の下でスマートフォンを触りながらもたれかかっている由依さんがいた。


私は乱れてるであろう前髪を整え、由依さんの方へ向かった。


ひかる「由依さん!」


由依「...ひかる!って...めちゃくちゃ可愛いじゃん/////」


1度は目合ったけど、私を確認した瞬間に顔を逸らされた。


ひかる「...どうかされましたか?」


由依「あ、いや。別に、どこ行く?」
 

理由くらい教えてくれればいいじゃん...

ひかる「ど、どこでもいいですよ...」


由依「じゃあさ、行きたいお店があるんだけどそこ行かない?」


ひかる「...行きたいお店?」


由依「うん。中華料理屋さんなんだけどめっちゃ美味しいの、初期の時から2週間に1回は通ってるんだ〜」

ひかる「行きたいです!」


由依「そうこなくっちゃ!じゃあ行こっか」


由依さんは私の手を取り、歩き始めた。

普段こういうことは私からするのに、初めて由依さんから手を繋がれた。すごい嬉しい。


由依「ひかる?」


ひかる「...なんですか??」


由依「食べ終わったあと、夜景見に行きたい


ひかる「えっ?!」

思いもよらなかった言葉に驚く。


由依「そんな驚く?笑」


ひかる「いや、由依さんから誘ってるくるの珍しいなと思って...」


由依「そっか...そうだよね笑」



なんて他愛ない話をしながら中華料理屋さんに着いた。



to be continued…