菅井side
私は先日ある人を好きになった。
名前は分からない。ただ先輩ってことはわかる。
きっかけはある日の放課後。
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私は時間指定で先生に呼ばれていた。
その事をすっかり忘れていて走っていた。
手には大量の資料。先生に頼まれたものを持っていくのだ。
階段と職員室の道へと続く道で誰かとぶつかってしまった。
私は見事に転んで資料がバラバラになった。
?「ごめん、大丈夫?」
顔を上げるとスクールバッグを肩にかけ手をこちらに手を出している人がいた。
菅井「あ...はい。でも資料が...」
?「よかった、ごめんね、私拾うね」
菅井「すいません...」
私は起き上がった。
ぶつかった人は全部拾って紙を揃えた。
?「謝る必要ないよ、私が悪いし...じゃあ」
資料を渡され、去っていった。
走っていた私が悪いのに...
私はその優しさに惚れた。
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それが起こったのは一週間前。
もう先輩は覚えてないのかもしれない。
理佐「またあの先輩のこと?」
親友の理佐が喋りかけてきた。
あーそっか、話してたんだ
菅井「うん...」
理佐「もう探せばいいのに笑」
菅井「先輩なんだから棟が違うでしょ!」
理佐「そんな怒らなくても笑」
?「理佐ちゃーん!先輩が呼んでる!」
クラスメイトが理佐を呼ぶ。
理佐「ん?あ、」
理佐は扉を見て気づき小走りで向かった。
扉を見ると...
あっ、あの先輩...
私はついあの先輩の笑顔に見とれてしまった。
理佐「...ぅか...ゆうか...友香!友香!!!」
菅井「わぁぁ!!」
理佐「もう、大丈夫?」
菅井「あの先輩...」
理佐「え?」
菅井「あの先輩だ」
理佐「守屋先輩!?」
菅井「うん...」
守屋先輩って言うんだ...
理佐の部活はテニスだから...守屋先輩もテニス部ってことか...
理佐「守屋先輩、部活内ですっごい人気だよ?」
急に理佐が喋り始めた。
菅井「じゃあ...私じゃ無理じゃん」
メガネの私じゃ及ばない。
理佐「そんな事ないでしょ笑、メガネ外したら可愛いし」
菅井「なにお世辞?笑」
理佐「お世辞じゃないし笑」
菅井「ならコンタクトにしよっかな...」
理佐「うん、そっちの方似合うよ」
理佐はそう言って私の頭を撫でた。
やっぱ私...いい友達持ったかも...
理佐「あ、今日部活の様子見に来なよ」
菅井「え?」
理佐「ファンの人に紛れ込んで笑」
菅井「は!?無理無理!」
理佐「でも楽しいよ?生で守屋先輩のこと見るんだから楽しい。大丈夫、守屋先輩なら友香のこと見てくれるから」
菅井「じゃあ...行ってみよっかな...」
理佐「うん、外でやってるから待ってる」
理佐はそう言って自分の席に着いた。
あのあと授業も沢山やり今は放課後。
続々と帰る生徒や部活に行く生徒喋っている生徒がいる。
理佐「じゃあ友香...待ってるからね」
菅井「うん!」
理佐は微笑んで部活に向かった。
よし、じゃあ私も向かうか...
外につくとテニス部が打ち合いをしていた。
あ、!!!理佐だ!!
理佐の相手を見ると守屋先輩がいた。
やはり見るだけでキュンキュンする。
?「やばい、理佐ちゃんと茜のペア好き」
茜...?守屋先輩の下の名前かな?
?「それな、神だよね」
隣にいる私よりもよっぽど可愛い子が発した
私なんかやっぱり無理だよ...
メガネで地味でネガティブ思考でしつこくて...
もうなんで..生まれてきたの...?
もう...諦めよう。帰ろうとしたその時
?「危ないっっ!!!」
理佐が叫んだ。私は飛んでくるテニスボールを避けれずにお腹に勢いよく当たってしまった。
菅井「うぅ...」
激痛が走る。
あまりにも痛すぎて地べたに座ってお腹を抱え込んだ。
誰かが近づいてくる足音がする。
理佐だろうか...
?「大丈夫?ごめん...私のせいで...」
これは理佐の声じゃないこの声...一週間前に聞いたことある...
顔を上げると私の大好きな先輩が心配そうに見ていた。
守屋「あ、この前の...」
理佐「友香!!大丈夫!?」
理佐が駆け寄ってきた。
守屋「理佐ちゃん先生呼んでくる!理佐ちゃんは保健室連れてってくれる?」
理佐「はい!おいしょっ!!」
菅井「えっ?ちょっと理佐!?」
理佐「じっとしてて、もっと痛くなるから」
周りの視線がものすごく痛い。
守屋「っ、、、」
守屋先輩を見ると悲しそうな顔をしていた。
理佐「先輩?」
守屋「あ、ごめん。先生呼んでくるね!笑」
無理して笑ってる...
理佐「お願いします」
守屋先輩は職員室の方に走っていった。
そして理佐は歩き始めその姿になにか心が動いた。
さっき...目あった時に「この前の...」って守屋先輩が言ってた...
もしかして私の事覚えててくれてるのかな...
あっという間に保健室に着いた。
理佐は私をベッドに寝転がせてくれた。
ガラガラ
扉が空いた。
?「菅井!!大丈夫か!?」
テニス部の顧問であり私の担任の先生である澤部先生が私の名を叫んだ。
そしてその隣にいるのは保健室の先生の渡辺梨加先生。とても学校中で可愛いと人気の先生だ。
菅井「痛いです...」
渡辺先生が近づいてきてお腹を服の上から触った。
菅井「いっ...」
渡辺「これ重症ね、今週中に病院行ってね?」
菅井「分かりました...」
澤部「お前の親に連絡してくる」
菅井「っ、大丈夫です」
澤部「え?」
菅井「迷惑かけたくないんで」
澤部「お前なぁ...」
理佐「澤部先生。私がついているんで大丈夫です」
澤部「理佐...こいつの病院付き添ってくれ」
理佐「もちろんです」
ふと後ろを見ると守屋先輩が俯いていた。